CSR調達の推進、原料調達の多様化

方針

公正な調達と環境に配慮したサプライチェーンを構築します。

課題の認識

原材料の調達先における環境問題や人権侵害といった問題が、経営リスクとして重視されています。当社では予てよりCSR調達に取り組んでおり、当社が定めたCSR調達ガイドラインに沿って調達先での公正な活動の確認を行っています。
さらに、より優れた品質の原材料を適正な価格で安定的に調達することが、安定した製造、高品質の製品につながると認識しています。

CSR調達の推進

信越化学グループはCSR調達に取り組んでおり、その基本となる「調達基本⽅針」を策定し、グループ内に周知するとともにホームページで公開しています。お取引先には当社の「調達基本⽅針」をご理解いただき、取引基本契約の中にその内容の記載をお願いしています。また、お取引先に「調達基本⽅針」をより深く理解いただくために「CSR調達ガイドライン」を作成し、ホームページで公開しています。2017年7⽉および 2018年1⽉にはお取引先を対象とした本ガイドラインの説明会を開催し、当社グループのCSR推進へのご理解とご協⼒をお願いしました。また、2022年にはグループ会社のお取引先にも「調達基本方針」と「CSR調達ガイドライン」を配布し、当社グループのCSR調達に対する考えを周知しました。

なお、お取引先と当社グループとの取引の透明性と公平性を確保するために、2018年1⽉にサプライヤーホットラインを設置しました。当社グループのお取引先は、メールで通報することができます。

信越化学グループ
調達基本方針

1.法令の遵守

信越化学グループは、経営目標の冒頭に法令遵守を掲げ、従業員一人ひとりが社会的責任を自覚し、法令、倫理および会社の諸規程を遵守した業務活動を行っています。購買、調達活動においては相互の信頼を第一に取り組んでいます。誠実かつ公平にこれを行い、不当に便宜を図ったり、不当な要求をいたしません。

また、直接お取引する調達先はもちろん、その先の供給者までを含むサプライチェーンにおける国際労働機関(ILO)の主要な労働基準の遵守をはじめ、環境に関係する法令や小規模の事業者を含むお取引に係る法令などに則った行動を推進しています。

2.企業の社会的責任の推進

信越化学グループは、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility=CSR)を果たすために多岐にわたります活動を推進しています。CSRの推進にはお取引先の皆様の協力も不可欠であり、次の事項をお願いするとともに、相互の信頼関係を築き高めていくことに努めます。

  • (1)社会規範、倫理および法令の遵守の強化と推進を図ること
  • (2)安全防災と環境保全を最優先事項とし、環境規制化学物質の管理ならびにグリーン調達に協力し、
    自らも配慮すること
  • (3)納入物品の安全性と信頼性の確保、不測の事態への迅速な対応について的確で公正な情報開示に努めることなど、
    リスクマネジメントを展開すること
  • (4)人権を尊重し不当な差別を排除し、国際労働機関(ILO)の主要な労働基準を守り不当な労働行為をさせないこと
  • (5)機密情報および個人情報の漏洩を防止すること。第三者の知的財産の権利を尊重すること
  • (6)生物多様性の保全に配慮すること
  • (7)紛争地域および高リスク地域における紛争や人権侵害などへの関与が明らかな鉱物を調達しないこと

3.取引先の選定

信越化学グループは、取引先を広く世界に求め、公平、公正、機会均等を基本に、①国際競争力のある品質と価格、
②納期および供給安定性、③お取引先の経営安定性、信頼性、技術力、④企業の社会的責任の推進で掲げた事項等を総合的に勘案し、お取引先の選定を行います。

4.取引先育成と見直し

信越化学グループは、取引のために必要不可欠な情報をお取引先様に提供するとともに、お取引先におけるVA、VE*の改善活動や品質の維持、向上に協力いたします。信越化学グループは定期的にもしくは必要に応じて、お取引先のパフォーマンスの評価と見直しを行います。

  • *VA、VE (Value Analysis︓価値分析、Value Engineering︓価値工学)
    顧客満足の高い価値ある新製品の開発や、既存製品の改善のための手法

関連情報

CSR調達ガイドライン

サプライヤーホットライン

下請法の遵守

購買・調達担当者は下請法を理解するために、下請法講習を受講しています。下請法の対象となるお取引先の漏れがないよう、既存の取引内容や新規取引の報告を定期的に確認しています。

持続可能な調達

当社グループは全ての調達品から紛争地域および高リスク地域における紛争や人権侵害などへの関与が明らかな鉱物を排除することを、調達基本方針で宣言しています。お取引先にはその方針の遵守をお願いするとともに、該当の鉱物について、定期的に製錬所までさかのぼって調査しています。

さらに、信越化学は2021年2月に、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に参加しました。RSPOは、サプライチェーン内の協力とその利害関係者との開かれた対話を通じて、持続可能なパーム油の成長と使用を推進する非営利団体です。当社はRSPOの主旨に賛同、参加を決定し、2023年3月にマスバランス認証を取得しました。

「パートナーシップ構築宣言」の公表

当社は、「大企業と中小企業が共に成長できる持続可能な関係を構築する」という理念に賛同し、2020年12月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。特に、取引対価の決定に当たっては、下請事業者の適正な利益を含むよう協議に応じ、不合理な原価低減の要請を行わないことを徹底しています。

パートナーシップ構築宣言

関連情報

マルチステークホルダー方針

調達監査

お取引先にサプライヤーCSR調達調査票にご回答いただくことで、お取引先が当社グループの「CSR調達ガイドライン」に沿った事業活動を行っているかを確認しています。また、必要に応じて、国内外のお取引先の訪問監査を実施しています。

資材会議の開催

当社資材部では半期に1回、全社の調達部門担当者を集め、資材調達に関する全社会議を開催しています。この会議では 資材調達の報告だけでなく、CSR調達ガイドラインに沿った調達部門担当者の教育やCSR調達の推進状況を確認、社内外 のCSR調達の最新事例の学習なども行っています。

原材料の化学物質管理

環境負荷の少ない物質を購入するために、お取引先のISO14001の取得状況を確認し、ISO取得の納入業者に対しては、優先的な取引を検討しています。原材料の納入に関する仕様の締結においては、以下の状況の把握に努めています。

  • ・製品、梱包材料の環境負荷化学物質の使用に関する関連法規の遵守状況
  • ・RoHS指令への遵守状況
  • ・SDS/chemSHERPAを活用した物質管理

社員の取り組み

SE タイローズ社(ドイツ)資材部 SJさん

SE タイローズ社(ドイツ)
資材部
SJさん

1.担当業務を教えてください。
SE Tylose で使用する原材料と梱包材の購買、およびサプライチェーン・ロジスティクスの責任者を務めています。

2.貴社の持続可能な調達への取り組みについて教えてください。サプライチェーンをどのように管理していますか?
ここ数年、当社にとってもサステナビリティの取り組みがますます重要になってきています。当社のサステナビリティの戦略を推進するために、2021年に私も参加するサステナビリティチームが設立されました。
このチームには、環境保安、研究開発、人事、購買などのさまざまな部門のメンバーが含まれており、当社の工場長もこのチームの一員です。
購買に関しては、お取引先に対する行動規範を策定し、サプライヤー調査とサプライヤー監査アンケートにサステナビリティの項目を追加しました。私は購買業務での経験をもとに、ドイツの「サプライチェーンにおける企業のデューデリジェンス義務に関する法律」から生じる課題への対応に取り組んでいます。この法律は、すべての購買活動が欧州連合の社会的および法的基準に沿っていることを保証することを企業に求めており、私のチームにはこの法律に対応することを期待されています。

3.お取引先に信越化学グループの調達基本方針やCSR調達ガイドラインの遵守をお願いしていますか?CSR調達監査を行っていますか?
2022年から、当社グループの行動規範をサプライヤーへ送付し始めました。私たちは長期的に、すべての主要サプライヤーにここで定義された原則と要件を受け入れてもらいたいと考えています。
さらに、頻繁にサプライヤーの監査を実施しており、私も監査チームの一員です。監査では、サプライヤーが当社のポリシーとサステナビリティの目標を遵守しているかどうかを確認しています。すべての監査は文書化されており、サプライヤーの改善進捗や、調査結果に基づいた推奨事項を満たしているかどうかを確認することができます。

4.購買部門の従業員に対してCSR調達に関する研修を行っていますか。
このチームの責任者として、部員の教育について定期的に議論することも私の仕事の一部です。当社の購買部門は5人で構成されており、全員が CSR 調達の重要性が増していることを認識して、現在のプロジェクトに関与しています。私は サステナビリティチームのメンバーとして、CSR調達に関する新たな情報を頻繁に部門内で共有しています。

5.持続可能な調達に関して、今後注力していきたいことは何ですか?
現在、2030 年の欧州連合の目標を達成するために、今後数年間で化石由来の原料から持続可能な原料への変更が可能かを調査しています。ここでの焦点は石油化学製品です。まだ道のりは長いですが、当社はこの重要で将来を見据えたトピックについて先駆者になりたいと考えており、先進企業の生産者とも交流しています。
当社の主要な原材料である木材パルプについては、すべてのサプライヤーが持続可能な方法でパルプを製造していることを認証によって確認しています。また、グリーンエネルギーで製造されたか性ソーダの購入についても検討しています。
もうひとつの重要なテーマは循環型経済です。ここでは梱包材に焦点を当てています。主に、材料を再利用する方法と廃棄物を削減する方法です。バージン素材をリサイクル素材で部分的に置き換えるためにいくつかのプロジェクトを開始し、再利用の方法を探しています。
持続可能な調達は社外からのESG評価に大きな影響を与えます。チームと協力して持続可能な調達を推進することで、評価をさらに向上させたいと思います。