全ての活動の礎:法令遵守、公正な企業活動

方針

遵法に徹して、公正に企業活動を行います。

課題の認識

信越化学グループは、「遵法に徹して公正に企業活動を行い、素材と技術によって他の追随できない価値を社会と産業のために生み出す」ことを企業規範としています。「法令遵守と公正な企業活動」が当社グループの全ての活動の礎です。
法令遵守はもとより、従業員一人一人が自己規範として高い倫理意識をもって日々の仕事に取り組むことで、企業の長期的な発展に取り組んでいます。

法令遵守の徹底

信越化学グループでは企業規範や毎期の経営目標で法令遵守を掲げ、法令遵守を徹底した企業活動を行っています。企業活動に関係する法令の制定や改正があった場合には、法務部門が社内に通達し、周知徹底を図っています。また、重要な法令への理解を促すため、社内報での重要法令の解説記事の連載や、外部講師を招いた講演会を開催しています。2022年11月には、公正取引委員会・中小企業庁の下請取引適正化推進講習会(WEBセミナー)を515名の信越化学本社、国内工場、国内グループ会社の従業員が受講しました。さらに、当社の執行役員が理事を務めている公益財団法人公正取引協会のセミナーを法務担当者が受講し、公正な取引のさらなる徹底に取り組んでいます。
全ての役員および従業員は、会社に対して「コンプライアンス誓約書」を提出しています。万が一、不適切な行動があった場合には、懲戒などの処分が科されます。

役員および従業員は、法令違反を発見した場合は「コンプライアンス相談室」に通報することが定められています。
コンプライアンス相談室は、業務にあたって法令、倫理、会社の諸規程に違反の疑われる問題が生じた場合、または生じるおそれがあることを知った場合に相談・通報する窓口です。信越化学グループの役員、社員、顧問、嘱託、パート、アルバイト、派遣社員などの従業員および退職者は、誰でもこの相談室を利用することができます。信越化学ではイントラネットに相談室の案内を掲載し、従業員に周知しています。また、2022年6月に、公益通報者保護法の改正に対応して「コンプライアンス相談・通報規程」を改定し、「コンプライアンス相談室のご案内」とともに14言語に翻訳し、当社グループ全社に周知しました。
コンプライアンス相談室に通報があった場合は、調査担当部門が通報の内容を調査し、会社は事実を正確に把握した上で必要に応じて是正措置をとります。相談者や通報者の秘密は守られ、相談や通報したことを理由として不利益な扱いを受けることはありません。

社員の取り組み

信越化学 本社 業務監査部 MMさん

信越化学 本社 業務監査部
MMさん

法令遵守、公正な企業活動のために内部監査を推進しています。

1.担当業務を教えてください。
財務報告に係る内部統制報告制度(J-SOX)への対応と、独禁法監査、輸出管理監査、子会社業務状況監査に携わっています。

2.法令遵守、公正な企業活動に関する取り組みについて教えてください。
業務監査部では、法令遵守、公正な企業活動に関するさまざまな取り組みを行っています。
金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制報告制度」について、業務監査部は信越化学グループの評価責任部署として、関連する法令や社内規程に則り、当社グループの「財務報告に係る内部統制」の有効性評価を実施しています。その結果は当社の会計監査人の監査を受け、「適正である」との結果を得ています。
また業務監査では、「独占禁止法遵守状況監査」に注力しています。当社は独占禁止法に特に注意を払い、独自の「独占禁止法遵守指針」を制定しています。本監査では当社グループ各社が独禁法に抵触する行動を取っていないかを確認しています。
その他、法令遵守関係では、グループ会社を対象に「安全保障輸出管理監査」を行い、各社の輸出管理体制が適切に整備、運用されていることを確認しています。信越化学については、「安全保障輸出管理委員会」が行う社内監査に同席しています。
不正防止の観点から行う「印鑑管理状況監査」では、組織の意思表示に用いる社印や部印などの公印が適切に管理、使用されているかを確認しています。同時に、支払を許可する権限を有する方の私印についてもその管理状況を確認しています。
さらに、J-SOX対象外のグループ会社を対象に「業務状況監査」を実施しています。対象各社の現預金管理、購買、固定資産及び棚卸資産管理、債権保全などの各業務が適切な内部統制の下に行われていることを確認しています。

3.コンプライアンス相談室について、制度の詳細や社内での周知方法などについて教えてください。
コンプライアンス相談室は、業務にあたって法令・倫理・会社の諸規程に違反の疑われる問題が生じた場合、又は生じるおそれがあることを知った場合に相談・通報する窓口です。信越化学グループの役員、社員・顧問・嘱託・パート・アルバイト・派遣社員などの従業員および退職者は、誰でもこの相談室を利用することが出来ます。信越化学ではイントラネットの「業務手続」に相談室のご案内を掲載しています。2019年8月に、「コンプライアンス相談・通報規程」と「コンプライアンス相談室のご案内」を14言語に翻訳してグループ全体への周知を行いました。また、公益通報者保護法の改正に対応するため、2022年6月1日にコンプライアンス相談・通報規程を改定したので、上述の周知を再度実施しました。

4.法令遵守、公正な企業活動に関して、今後どのようなことに注力していくことを考えていますか。
信越化学グループ各社はコンプライアンスに関して高い意識を持っていると感じていますが、今後も地道な監査業務を継続的に実施することで、当社グループ各社が「遵法に徹する」ことの支えになっていきたいと考えています。また監査を受ける部門にとっては、定期的に監査を受けることが法令遵守について考える機会になり、業務における基本動作の確認につながるよう取り組んでいきます。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

腐敗防止への取り組み

当社は、信越化学グループ企業規範、サステナビリティの基本方針で、公正な企業活動を行うことを宣言しています。贈収賄に一切関与しないことを明確に示すために、2015年に「贈収賄防止規程」を制定しました。贈収賄防止規程の適用範囲は当社の役員、従業員、派遣社員で、公務員等に対する贈賄の禁止、公務員等以外に対する贈賄の禁止、収賄の禁止、懲戒について定めています。
また、「コンプライアンス誓約書」の提出により、国内外の公務員やお客さま、お取引先さまに対する不当な便宜の供与や要求の防止を徹底しています。
さらに、倫理全般の遵守状況を人事評価の項目の一つとすることで、従業員の法令遵守に関する意識の向上に努めています。汚職、横領、賄賂に関する定期的な内部監査も実施しています。
海外グループ会社については、トランスペアレンシー・インターナショナル(腐敗問題に取り組む国際的な非政府組織)が公表している国別の腐敗認識指数をもとに、所在国、会社の規模、業務内容等の事情を加味し、贈収賄や腐敗防止に関するリスクアセスメントを実施しています。2022年度はグループ会社36社をアンケート調査しました。

GCNJ「腐敗防止強化のための東京原則」に賛同

当社グループは、「遵法に徹して公正に企業活動を行う」ことを企業規範に掲げ、贈収賄をはじめとする腐敗の防止に取り組んでいます。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)の「腐敗防止強化のための東京原則」は、当社グループのこれまでの腐敗防止への考え方や取り組みに合致しているため、当社グループはいち早く賛同を決定し、2018年2⽉に賛同書に署名しました。

引き続き、法令遵守と公正な企業活動を旨とし、同原則と腐敗防止に関する社内規程に従って業務に取り組んでまいります。

GCNJ「腐敗防止強化のための東京原則コレクティブ・アクション」

  • 腐敗防止コレクティブアクション

輸出管理

当社では、「外国為替及び外国貿易法」などの輸出関連法規に対応するため、「安全保障輸出管理規程」を定めています。この規程に従って、以下に取り組んでいます。

  • ・製品の輸出の際の該非判定、顧客審査、取引審査
  • ・内部監査
  • ・役員、従業員への教育、グループ会社への指導

反社会的勢力との関係遮断

当社グループは、反社会的勢力に対して毅然とした態度を貫き、一切の関係を遮断することを、「内部統制基本方針」で宣言しています。この方針に基づいて、対応統括部署を中心とした体制を整備し、お客さま、お取引先さまと反社会的勢力の排除に関する確認書や覚書などの締結を行っています。また、外部専門機関と緊密に連携しています。