人間尊重、人材育成、多様性の推進

従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメント

高い生産性を実現し、持続的に企業価値を向上させていくためには、全従業員が働きがいを持ち、個々の能力を最大限に発揮できる人事制度と職場づくりが重要です。そこで、信越化学は従業員意識調査を実施、その分析結果をもとに、より多くの従業員が働きがいを持てるよう、さらなるエンゲージメント向上を目指しています。

社員意識調査の実施

より働きがいを持てる職場づくりに役立てるために、2022年に信越化学で働く社員を対象に、社員意識調査を実施しました。調査では、コンプライアンス、お客さま志向、経営理念の浸透、会社の将来性、人事制度、キャリア展望、業務負荷、職場環境、上司との関係などの項目について質問しました。

回答率は86.5%で、分析の結果当社の従業員のコンプライアンス意識が高いことがわかりました。今回の調査結果を参考にして、当社の良いところはさらに伸ばし、改善すべき点は改善していきながら、より多くの社員が働きがいを持てるよう、取り組みを続けていきます。

「働きやすい環境づくり」での信越化学グループの対象は、信越化学の従業員と出向者です。

ワークライフバランスのための取り組み

信越化学グループは、常に従業員の雇用の安定を第一に考えます。従業員が安心して仕事に打ち込み、良い仕事をして良い成果を上げることが会社の成長につながります。こうした考えのもと、出産や育児、介護などのライフイベントを理由に離職することなく、仕事と家庭生活の両立を実現できるよう就業環境の整備や、支援制度の充実を図っています。

育児支援

信越化学グループは従業員の出産と育児を支援しています。出産や育児に関わる制度や手続きをまとめた「出産・育児ガイドブック」を発行しています。当社の育児休業制度は子どもが満3歳になるまで取得可能です。当社および国内連結会社では、平均して毎年30名程度の従業員が育児休業制度を利用しています。また、配偶者の出産時には有給休暇を5日間付与しています。1日2時間まで勤務時間を短縮する短時間勤務制度は、子どもが小学校を卒業するまで利用することができます。さらに、在宅勤務制度の活用も推進しています。なお、海外グループ会社では現地の法令に従って育児を支援しています。

育児支援のための主な制度(信越化学)

図:育児支援のための主な制度(信越化学)。出産休暇、育児休暇、子の看護休暇、短時間勤務について、出産から小学校卒業まで。

2017年10月より、条件を満たした場合は最長2歳になりました。

育児休業制度利用者数
2021年度 2022年度 2023年度
男性 女性 男性 女性 男性 女性
信越化学(単体) 15 8 23 10 56 7
国内連結会社 24 24 66 27 114 29
連結会社全体 88 99 156 151 283 196

育児休業期間は各国の法律に従っているため、国によって異なります。

介護支援

当社グループでは介護をしながら働く従業員のために、下の表のような介護支援制度を設け、介護をしながら仕事を続けていくことができる環境を作っています。

また、介護に関わる会社の制度や介護保険制度の説明などを一冊にまとめた「介護ガイドブック」を発行しています。さらに、2014年度より「健康管理・介護サポート」サービスの提供を始め、社外の専門家による相談窓口を設置しました。

介護支援のための主な制度(信越化学)

図:介護支援のための主な制度(信越化学)。介護休暇、短時間勤務等の措置、介護休暇。
介護休業取得者数
2021年度 2022年度 2023年度
信越化学および国内連結会社 2 3 2

キャリア支援

新幹線通勤制度

1989年から導入していた新幹線通勤制度を2023年に拡充し、工場がある地区への通勤にも新幹線を利用することを認めることにしました。従来までは、工場地区から本社地区への通勤にのみ新幹線の利用を認めていましたが、制度の適用範囲を拡大したことにより、共働き世帯が増加するなか、より多様な場面で、夫婦が別居や離職することなくキャリアを継続しながら、勤務することが可能になりました。

配偶者海外赴任帯同休職制度

2023年から当社グループでは配偶者海外赴任帯同休職制度を導入しました。海外赴任をする配偶者に帯同する場合に、最長3年間休職できる制度です。当社グループで築いてきたキャリアを継続するとともに、帯同中の海外生活におけるさまざまな経験や海外で得られた新たな視野や価値観を、帰国後のキャリア形成につなげることができます。

退職者登録制度(リターン雇用制度)

配偶者海外赴任帯同休職制度に加え、同じく2023年から退職者登録制度(リターン雇用制度)を導入し、多様なキャリアデザインの要請に対応できる体制を整備しました。当社のリターン雇用制度は、出産や育児、介護、配偶者の転勤、病気やけがなどの家庭の事情などで退職せざるを得なくなった社員を再雇用する制度で、退職から最大10年を再雇用対象としています。

労働時間の適切な管理

当社グループは全社的に労働時間管理の意識を高め、長時間労働を是正し、生産性の高い職場づくりを目指しています。そのために、パソコンのログなどで正確な勤務時間を把握する仕組みを積極的に導入しています。また、フレックスタイム制や在宅勤務の運用など、柔軟で生産性の高い働き方を可能にする制度や環境を整備しています。

福利厚生

積立年休制度

当社グループでは就業規則に基づき付与されている年次有給休暇が失効した場合に、一定の日数を積立年休として取り扱っています。積立年休は、家族の介護や私傷病、地域災害ボランティア活動、臓器や骨髄移植のドナーとなる時などに使用することができます。

従業員のホットライン

当社グループでは仕事の悩みなどを相談できる窓⼝として、社外の専⾨カウンセラーが対応する「ダイヤルShin-Etsu」を設けています。匿名、秘密厳守で相談を受け付けていますが、相談者の希望があればカウンセラーから⼈事部⾨へ連絡を取り、対応を検討することも可能です。

その他の制度

2012年6⽉にアメリカのワシントン州⽴クラークカレッジへ1年間留学する、Dr. Kanagawa奨学⾦制度を設⽴しました。⻑年築いてきた同⼤学と当社前会長の⾦川との信頼関係から⽣まれたものです。その他にも、財形貯蓄制度、持株会制度、さらに結婚や出産、急な家族の⼊院などを⽀援するための共済会を設けています。

福利厚生施設

寮/社宅

通勤可能な地域外に自宅がある当社グループ従業員のために、当社本社および各工場の周辺に寮や社宅があります。

保養所

神奈川県、静岡県、福島県、新潟県に直営保養所があります。当社グループの従業員がこれらの保養所を利用する場合は、家族や友人も利用することができます。さらに、社外の保養所とも提携し、利用者には補助金が支給されます。

信越化学 箱根 新千荘(神奈川県)

その他の取り組み

労使関係

当社は、信越化学労働組合とさまざまな話し合いの場を通じて、相互理解に努めています。毎月本社で開催している「中央労働協議会」には経営トップが出席し、経営方針や個別事業の概況、人事制度などについて対話を積み重ねています。また、各事業所でも、毎月、信越化学労働組合の各支部と「地区労働協議会」を開催しています。

労使の対話を重ねることで相互の理解と信頼が一層深まり、事業の拡大と事業環境の変化にも即応できる、労使一体の事業運営を行っています。

関連データ

項目 内訳 対象範囲 単位 2021年度 2022年度 2023年度
ワークライフ
バランス
育児休業取得者
(女性)
連結 99 151 196
国内 24 27 29
海外 75 124 167
育児休業取得者
(男性)
連結 88 156 283
国内 24 66 114
海外 64 90 169
介護休業取得者 国内 2 3 2

育児休業取得者数
育児休業期間は各国の法律にのっとっているため、国によって異なります。