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信越化学、高輝度LED用リフレクター材料と透明保護フィルムを開発

~高い信頼性と反射率を実現、量産性と加工性も兼備~

2009.09.10

信越化学工業株式会社(本社:東京 / 社長:金川千尋)は、このほど高輝度LEDに使用されるリフレクター(反射材)材料「SWCシリーズ」および透明で高耐熱性の保護フィルム材料「LPS-AFシリーズ」を開発し、照明用や液晶テレビのバックライト光源用LED向けを中心にサンプル出荷を開始する。

リフレクターは、LEDの発する光を前面に反射し、輝度を向上させる部品で、主に熱可塑性樹脂のポリフタル酸アミド(PPA)が使用されている。しかし、PPAは強度の強いLEDの光やチップ表面の高温化により変色し、光の反射効率が劣化してLEDの輝度が低下するという大きな問題点がある。そのため、長期の使用を保証する照明などのLED用リフレクター材料として優れた特性を持った新規材料が望まれていた。
SWCシリーズは、耐熱、耐光性に優れたシリコーン樹脂で、光反射率も98%以上と高く、高強度の短波長光に長期曝されてもLEDの輝度低下が無いなど他の材料では達成できなかった特長を有する。さらに、量産・成形加工性も高く、自由なパッケージ形状の設計が可能である。

LPS-AFシリーズは、耐熱・耐光性に優れた透明なシリコーン保護フィルムで、LEDチップ表面に貼ることでLEDを保護する。さらにラインアップの一つである蛍光体を混ぜ合わせたフィルムは、LEDの発光する青色を均一かつ容易に白色に変換することが可能で、また色むらも抑えることができる。

信越化学では、LEDチップを保護する耐熱・耐光性に優れたシリコーン封止材(LPS-1000~5000シリーズ)およびシリコーン・エポキシ変性封止材(LPS-7400)、高い接着強度・耐熱性に優れたダイボンド材(LPS-8000シリーズ)やシリコーンレンズなど、数多くのLED用高信頼性シリコーン製品を手がけている。さらに、新たにリフレクター材料としてSWCシリーズ、保護フィルムとしてLPS-AFシリーズをラインアップに加え、LEDの周辺材料の総合サプライヤーとして、今後も高度化する市場のニーズに合致する優れた製品を提供していく。

LEDは、地球環境への負荷を軽減する部品として、信号機などの表示装置から液晶テレビなどのバックライト光源、さらには自動車のヘッドライトや室内照明などの照明材料へと用途の拡大が急速に進んでいる。当社では、LED用リフレクター材料の市場規模は現在の25億円/年から2013年には75億円に拡大すると予測しており、サンプル評価を促進するとともに早期に生産体制を整える。

以 上

【参考資料】

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