省エネルギー、省資源、環境負荷の低減

方針

省エネルギーと資源の有効利⽤をさらに推し進め、地球の未来のために、さまざまな環境課題の解決に向けて対応します。

課題の認識

気候変動への具体的な対策、限りある資源の有効利⽤、サーキュラーエコノミー*は、企業が取り組む重要な課題と認識しています。信越化学グループでは、省エネルギーと資源の有効利⽤、製造⼯程における環境負荷の低減に取り組み、地球環境に貢献するだけでなく、当社の競争⼒を⾼め永続的な発展につなげていきます。

  • *サーキュラーエコノミー
    利用後の廃棄物を別の事業の資源にしたり再活用するなど、既存の資源を再生し、循環させていく経済活動

中期目標
2025年度に1990年度比で温室効果ガス排出の生産量原単位を45%にする。*1

2022年度の 実績と評価
信越化学グループ*2は1990年度比で54.2%、信越化学は46.8%

2022年度
目標:エネルギー使⽤量を⽣産量原単位で平均年率1%削減する。
実績:2019年度から2022年度までの年平均率は、信越化学グループは0.7%増加。
評価:目標を未達。

2023年度
目標:エネルギー使⽤量を原単位で平均年率1%削減する。

  1. *1 排出量の算定にあたり、電力のCO2排出係数は電力の削減努力が明確になるよう、2000年から2009年までの平均値を使用しています。
  2. *2 非連結のグループ会社を含みます。

実績

当社グループでは気候変動への具体的な対策を実施するために、社⻑を委員⻑とするサステナビリティ委員会が、事業部⾨と連携してこの重要な課題に取り組んでいます。

気候変動への対策として、2010年度から、「2015年度に1990年度比で温室効果ガス排出の生産量原単位を50%にする」の中期目標達成に向けて、革新的な技術の導入に加えて、省エネルギーやコージェネレーションシステムの導入などを実施してきました。さらに、2016年度からは新たな中期目標「2025年度に1990年度比で温室効果ガス排出の生産量原単位を45%にする」を定め、その達成に向けて取り組んでいます。2020年度に海外拠点でガスタービンの導入によるコージェネレーションによる購入電力削減などに着手し、さらに2022年度に国内拠点にも導入しました。

関連情報

信越化学グループと気候変動

温室効果ガス排出量 1990年度比 生産量原単位指数の推移

温室効果ガス排出量 1990年?生産量原単位指数の推移

エネルギー使用量の推移(原油換算)

エネルギー使用量の推移(原油換算)

温室効果ガス排出量の推移

温室効果ガス排出量の推移

温室効果ガス排出量の推移(経常利益排出原単位)*3

温室効果ガス排出量の推移(経常利益排出原単位)

  • *1スコープ1:自社が所有、支配する施設からの直接排出(例:重油や天然ガスなど)
  • *2スコープ2:自社が購入したエネルギーの製造時の排出(例:購入した電力、蒸気)
  • *3
  • ・原単位=排出量(CO2-トン)/連結または単体経常利益(百万円)
  • ・信越化学以外の化学5社の集計対象範囲:連結4社、主要グループ 会社1社
  • ※各国政府への排出量を報告している場合は、過年度に遡りその報告値をスコープ1および2の集計に使用しました。

熱エネルギー循環の取り組み

信越化学の各工場では、熱エネルギーの循環に取り組んでいます。

工場での蒸気と電気の流れ

工場での蒸気と電気の流れ

■ コージェネレーションの導入

工場ではコージェネレーションシステム*を使用して蒸気と電気を作りだしています。コージェネレーションシステムで作った電気は製造設備の稼働を支えています。また、蒸気は製造設備の加熱や保温に使用されています。蒸気は加熱に使用して温度の低下したものをそのまま排出せず、低温の蒸気でも使用可能な製造設備の加熱に再利用します。最終的には蒸気を水に変え、回収した水を再利用しています。

■ 廃熱の回収

生産工程から出る熱を回収し別の工程でそのまま熱エネルギーとして利用しています。さらに、残った廃熱を主に蒸気に変えて回収し、吸収式冷凍機で冷水を作り、製造設備の冷却などに利用しています。

  • * コージェネレーションシステム(熱電供給)
    天然ガスや石油、液化石油ガスなどを燃料として、エンジンやタービン、燃料電池などの方法で発電し、その際に生じる熱をスチームとして同時に回収するシステム。電力と廃熱の両方を有効利用することでCO2排出量の削減、省エネルギーによる経済性向上ができる。

温室効果ガススコープ3排出量

2022年度の当社グループの温室効果ガススコープ3*1排出量は11,139千CO2 -トンで、サプライチェーン*2全体の63%を占めています。

  • *1 スコープ3:自社のサプライチェーンからの排出
  • *2 サプライチェーン
    ある製品の原材料が生産されてから最終消費者に届くまでの過程。

スコープ3排出量と算定方法

カテゴリー カテゴリーの定義 排出量(単位:千CO2トン) 活動量 使用した排出原単位の出所
1.購入した製品・サービス 原材料・部品、仕入商品・販売にかかる資材などが製造されるまでの活動にかかる排出 5,588 原材料などの購入量 調達先から入手した排出原単位
IDEA v2
環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
2.資本財 自社の資本財の建設・製造から発生する排出 868 有形固定資産および無形固定資産の増加額 環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
3.スコープ1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 調達している燃料の採掘、精製などに伴う排出
調達している電力の発電に使用する燃料の採掘、精製などに伴う排出
954 全購入エネルギー量 環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
4.輸送、配送(上流) ①報告対象年度に購入した製品・サービスのサプライヤーから自社への物流に伴う排出。 716 購入した原材料などの重量および原材料の輸送距離 省エネ法(トンキロ法)
IDEA v2
②報告対象年度に購入した①以外の物流サービスに伴う排出(自社が費用負担している物流に伴う排出) 製品の輸送量および輸送距離(当社負担) 省エネ法(トンキロ法)
5.事業から出る廃棄物 自社で発生した廃棄物の輸送、処理に伴う排出 47 種類別廃棄物量 環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
6.出張 従業員の出張に伴う排出 2 種類別の出張の延べ日数 環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
7.雇用者の通勤 従業員が事務所に通勤する際の移動に伴う排出 24 定期券代などの通勤費用 環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
8.リース資産(上流) 自社が賃借しているリース資産の操業に伴う排出 - 算定除外
当社グループでは海外非生産拠点の賃借が対象となるが、僅少のため。
9.輸送、配送(下流) 自社が販売した製品の最終消費者までの物流に伴う排出(自社が費用負担していないもの) 244 製品の輸送量および輸送距離(顧客負担) 省エネ法(トンキロ法)
IDEA v2
10. 販売した製品の加工 事業者による中間製品の加工に伴う排出 - 非該当
WBCSDの化学部門用ガイドラインの、「用途及び顧客構成が多様であることにより信頼性のある数字を入手することが困難であるため、 化学会社にはカテゴリー10排出量を報告する義務がない」を適用
11. 販売した製品の使用 使用者(消費者・事業者)による製品の使用に伴う排出 - 非該当
WBCSDの化学部門用ガイドラインの、「化学製品のエンドユーザーが不明な場合、化学会社は間接的使用段階排出量をインベントリに含めないことが望ましい」を適用
12. 販売した製品の廃棄 使用者(消費者・事業者)による製品の廃棄時の処理に伴う排出 2,696 製品の販売量 環境省 排出原単位データベース(Ver.3.3)
IDEA v2
13. リース資産(下流) 賃貸しているリース資産の運用に伴う排出 - 非該当
当社が他社等にリースしている資産はない。
14. フランチャイズ フランチャイズ加盟者における排出 - 非該当
当社はフランチャイズ主宰者ではない。
15. 投資 投資の運用に関連する排出 - 非該当
利益を求める投資はない。
スコープ3排出量合計 11,139

※2022年度より、カテゴリー1の原材料調達に関わる排出係数、カテゴリー4-①およびカテゴリー9の船舶輸送の排出係数を変更しました。

TCFDの提言の支持

当社グループは2019年5月にTCFD*1の提言への支持を表明しました。また、「TCFDコンソーシアム」*2にも参加しました。気候変動に関して提言に沿った情報の開示を進めています。

TCFD

  1. *1 TCFD
    Task Force on Climate-related Financial Disclosure(気候関連財務情報開示タスクフォース)。2015年9月に金融安定理事会(FSB)が立ち上げた、気候変動に関する情報開示の特別チーム。TCFDは2017年7月に、「企業は、中長期の複数の気候変動の予測と将来シナリオを元に自社のリスクと機会を分析し、財務への影響度を開示すべきである」との提言を発表した。
  2. *2 TCFDコンソーシアム
    2019年5月に、経済産業省、金融庁、環境省が中心となって設立した団体。TCFD の提言に賛同する企業や金融機関などが一体となって、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関などの適切な投資判断に繋げるための取り組みを推進することを目的としている。

関連情報

サステナビリティデータ集

信越化学グループと気候変動

社員の取り組み

シンエツ シリコーンズ オブ アメリカ社(アメリカ)環境部門 ARさん

シンエツ シリコーンズ オブ アメリカ社(アメリカ)
環境部門
ARさん

1.担当業務を教えてください。
私は入社後環境保安部門に配属になり、安全衛生に関する研修に加えて、州および世界の規制に関する研修を受けました。現在は環境および規制部門を担当しており、当社が所在する地域、州、国、および世界のすべての規制への対応と環境問題への取り組みを推進しています。また、当社および信越化学を代表してグローバル シリコーン カウンシル*のメンバーとなり、シリコーン環境、健康、安全センターの規制および広報委員会の委員長を務めています。

2.工場では環境負荷低減にどのように取り組んでいますか?
当社は現在、使用電力の削減による省エネルギーと廃棄物の削減に、特に力を入れて取り組んでいます。過去数年間で、電力の使用量を削減するために製造設備を更新しました。また、廃棄物の発生を削減するために、いくつかの製造工程を変更しました。さらに、環境の優越性を促進するための取り組みを実施しており、2021 年にオハイオ州環境保護庁の環境優秀賞 E3 賞を受賞しました。

3.温室効果ガス排出量削減という信越化学グループの中期目標を達成するために、どのような取り組みをしていますか?
2025 年までの削減目標を達成するために、当社は製造現場全体の温度管理や、電球からLEDへの交換、タイマーや調光器が照明への更新などの取り組みを行っています。今後はプロセスと建物の断熱方法の改善、電力のグリーン クレジットの100% 購入、施設全体の非効率的なボイラー/追加機器を交換することにより、CO2排出量をさらに削減する予定です。

4.温室効果ガスの削減などの気候変動対策について従業員を教育していますか?
当社は廃棄物対策、環境負荷低減計画、およびリサイクルに関するトレーニングを実施しています。気候変動関連の教育には主にISO 14001のトレーニングを活用しています。ISO 14001は環境のマネジメントに関する国際規格であり、廃棄物の削減と資源の効率化に重点を置いた環境パフォーマンスを促進しています。当社の製造の際の環境目標と、従業員がより持続可能で環境に優しい工場に貢献できる方法を理解するために、毎年オンライントレーニングを開催しています。

5.気候変動への対応について、今後注力していきたいことは何ですか?
気候変動は、私たちの世界の未来にとって常に存在する懸念事項です。当社の施設で製造されたシリコーンが、エネルギーの効率的な利用と再生可能なエネルギーへの転換、製品寿命、廃棄物削減を促進するため、温室効果ガス排出の削減に貢献していることを誇りに思っています。CO2 排出量を削減するために、今後の工場内の工程をより効率的に改善することに集中します。新しい技術に積極的に取り組み、それらの技術が私たちの環境目標を達成するだけでなく、それを上回ることができるような環境主導型の文化を育て、地域社会を支える存在になりたいと考えています。

  • *グローバル・シリコーン・カウンシル(Global Silicone Council)
    世界中のシリコーン製品を製造および販売する企業を代表する非営利の国際組織。シリコーンの安全な使用と管理を世界的に推進している。