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信越化学、5G向けに熱硬化性低誘電樹脂「SLKシリーズ」を量産化


2020.12.01

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下「信越化学」)は、次世代通信規格「5G」の本格的な普及に対応して、新規製品である熱硬化性低誘電樹脂「SLKシリーズ」の量産化投資を行う。設備投資額は約30億円を見込む。

信越化学は、5Gの展開に資するために有効な製品の開発に従来から取り組んでいる。2019年12月には、5Gで求められる低誘電や放熱特性などを十分に備えた新規製品として、石英クロス、熱硬化性低誘電樹脂、放熱シートなどを市場投入した旨発表した。今回、設営するSLKシリーズの生産能力は第一期分で年産80トン、2021年中の稼働を目指す。

SLKシリーズは、フッ素樹脂に迫る低誘電特性を持ち高強度かつ低弾性の樹脂である。5Gの高周波帯域で使用される電子デバイスや回路基板、アンテナ、レーダードーム向けに開発し、高周波数帯(10~80GHz)で誘電率2.5以下、誘電正接0.002以下と熱硬化性樹脂としては最低レベルを達成している。

低吸湿性で、低粗度の銅箔に対しても高い接着力を有するため、FCCL(フレキシブル銅張積層板)や接着剤などへの使用にも適している。高速通信基板のバインダーや接着フィルムとして顧客での評価も良好で拡販も順調に進んでいる。

信越化学は、今後もSLKシリーズを中心に石英クロスや放熱シートも含め、拡大が確実視される5G市場の用途開拓を進め、次世代高速通信技術の発展に貢献していく。

以上


■参考資料

熱硬化性低誘電樹脂「SLKシリーズ」

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