ガバナンス:リスク管理

リスク管理

リスクマネジメント委員会

当社では、取締役、執行役員および部門長など約20名で構成されるリスクマネジメント委員会を設置し、リスク管理体制の構築や諸規程の整備、事業活動に伴って発生するリスクの洗い出しと未然の防止に取り組んでいます。また、事業継続計画の策定、教育、情報提供など、部門間、グループ会社間で横断的な活動を推進しています。なお、リスク管理で重要な事項については、取締役会や常務委員会、監査役会に報告しています。2024年度は委員会を4回開催したほか、事務局による会議を毎月実施しました。会議では地震リスクのほか情報漏洩リスク・原材料調達リスクなどについて議論し、その内容を委員会内で共有し、リスク対応の充実を図っています。さらに、委員会内で議論・検討し、2025年度以降に重点的に取り組むべきリスクマネジメントの課題を策定しています。

リスク管理規程

当社では、「リスク管理規程」を定め、当社グループの事業活動の中で考えられる包括的リスクを長期的な視点で想定し、リスク管理体制や発生したリスクへの対応について定めています。

リスク管理規程で定義するリスク

図:リスク管理規程で定義するリスク。経営リスク、環境・保安リスク、研究開発リスク、情報管理リスク、製造・品質管理リスク、知的財産リスク、営業・販売リスク、不正リスク、購買リスク、カントリーリスク、財務・会計リスク、法的リスク、人事・労務リスク、その他のリスク

リスク管理手順

リスク管理は各リスクの特性を見極めながら、下図のPDCAサイクルに沿った手順で運用しています。

図:リスク管理手順。1.リスクの特定:各部門の事業・業務に関連するリスクを特定し、把握する。→2.リスクの評価:当該リスクの大きさ、範囲などを評価する。→3.リスクの制御:評価したリスクの大きさ、範囲などを制御する。→4.緊急時対応マニュアルの策定:リスク発現時における対応を策定する。→5.監査・検査:現状を評価し、対応策などを確認する。

2025年度のリスクマネジメント委員会の活動について

リスクマネジメント委員会では、経営と事業活動に影響を与える可能性があるリスクを事前に排除し、リスクが発生した場合の影響を最小限に抑え再発を防ぐことを目指し、部門を横断した多面的な取り組みをしています。

2024年度は、国内外のグループ会社を含め地政学リスク、サイバーセキュリティ、インフラリスク、労働安全リスク、原材料調達リスクなどに対し継続テーマとして対策を検討するとともに、人材の確保・流出対策、原材料の安定調達などに取り組みました。

2025年度も不安定な国際情勢を踏まえ、引き続き、下記のリスクを重点的に予防と対策強化に努めます。

  • サイバーリスク
  • BCP
  • 入手困難な原材料の調達
  • リスク管理体制整備の子会社、関連会社への展開など

さらに、事業の主体である各事業部とグループ会社におけるこれらのリスクへの取り組み状況を確認し、必要な対策を事業体とともに進めます。リスクマネジメント委員会は、リスクを未然に排除しリスクへの備えを強化することで、会社の持続的な発展を支援してまいります。

事業継続計画と緊急時の対応

当社グループは、日本のみならず世界での市場占有率の高い製品や、最先端の産業で特殊な用途で使われる製品を数多く提供しています。そのため、大規模な地震や火災などの重大な災害、事故によってそれらが供給できなくなると、社会に影響を及ぼす恐れがあります。

当社では、各事業部と各工場が「全社事業継続マネジメント基準」に基づいて事業継続計画を策定し、災害や事故に備えています。また、グループ会社各社でも事業継続計画を策定しています。

また、災害や事故が発生した場合、以下に示した体制で取り組みます。それぞれの対策本部や組織は、事前に定められた業務基準に基づいて緊急対応および復旧対応を行います。

災害、事故の発生時の体制と主な対応業務

図:災害、事故の発生時の体制と主な対応業務。
								災害対策本部
								本部長:社長
								災害対策本部
								対策本部付(本社管理部門)
								 ・事故、災害の状況の把握
								 ・情報収集、伝達
								 ・従業員の安否確認、必要な人員の確保
								 ・お取引先さまの状況把握、代替調達先の確保
								 ・社外からの問い合わせへの対応
								事業部対策本部(当該事業部)
								 ・被害状況の把握、在庫の確認
								 ・お客さまの状況の把握
								 ・お客さまの問い合わせへの対応
								 ・代替対策の実施、復旧計画の再検討
								工場対策本部(当該工場)
								 ・官庁、地域、本社、従業員への通報、連絡
								 ・従業員の安否、生産設備の被害状況の把握
								 ・二次災害の防止
								 ・必要人員の確保
								 ・復旧計画の提案、実施

総合防災訓練を実施

(2024年6月 信越化学 群馬)

(2024年11⽉ 信越化学 鹿島)