ニュース

信越化学とOFS社(古河電工の米国子会社) 光ファイバー用プリフォーム製法特許のライセンス契約を締結


2009.08.24

信越化学工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:金川千尋 以下、信越化学)とOFS Fitel, LLC(古河電気工業㈱の米国子会社、本社:米国ジョージア州アトランタ、会長兼CEO:ティモシー・マレー 以下、OFS社)は、OFS社が保有する光ファイバー用プリフォームの製造方法に関する特許(米国特許第6,131,415及びその各国特許)についてライセンス契約を締結しました。

この特許は、低OH性能を有する高品質な光ファイバー(以下、Low Water Peak Fiber)を安定して得られるガラスプリフォームの製造方法に関するものです。

【背景】

Low Water Peak Fiberは業界の最も厳しい規格であるITU-T G652.Dで決められている標準シングルモード光ファイバーであり、OFS社はこの規格の光ファイバーを世界で初めて紹介したこの技術分野におけるパイオニアです。この光ファイバーを用いると、DWDM(Dense Wavelength Duplex Multiplex)やCWDM(Coarse Wavelength Duplex Multiplex)と言われる波長多重伝送方式においてEバンド帯(1360~1460nm)を含めた1300~1610nmの全波長域を利用できるようになり、従来に比べて通信容量を50%程度向上させることが可能となります。そのため、現在では世界中の通信会社の大多数が光通信ネットワーク構築にこの光ファイバーを用いています。

【内容】

本特許は、VAD法コアロッドと石英管を組み合わせた“ハイブリッド“ガラスプリフォームの製造方法に関するものであり、その技術は既にOFS社のAllWave ZWP fiber(※)の製造に使われています。なお、ZWPはZero Water Peakを意味し、ITU-T G652.Dの仕様値を超える特性を有するファイバーですが、本特許技術を用いて安定的に製造することができます。

今回の世界大手二社のライセンス契約は、Low Water Peak Fiberの重要性に加えて、品質面やコスト面で優れた“ハイブリッド“ガラスプリフォームを得られる本特許技術の重要性を改めて示すものです。

信越化学は現在、鹿島工場において全合成プロセス法でLow Water Peak Fiber用 プリフォームを量産しています。このハイブリッド技術によって、極めて短期間にLow Water Peak Fiber用プリフォームの製造能力を増強することが可能となります。信越化学は、鹿島工場の現有生産能力を利用し、Low Water Peak Fiber用プリフォームの増産が可能となり、アジア、太平洋地域で増大する需要に対応していきます。

(※) ALLWAVE®はOFS社の米国登録商標です。ZWPRは古河電気工業㈱の日本登録商標です。

■信越化学について

信越化学は、半導体シリコンウエハーの世界トップ企業であり、またフォトレジストや半導体封止材料、フォトマスク基板など、前工程から後工程まで半導体製造工程全般に不可欠な材料を供給しています。電子材料、光学材料から有機・無機化学品まで、幅広い分野で世界トップシェアの製品を有し、各事業をグローバルに展開しています。
信越化学に関する情報は http://www.shinetsu.co.jp/ でご覧いただけます。

■OFS社について

OFS社は、光ファイバー、光ケーブル、FTTX、光接続部品、その他各種光製品の設計、開発、製造で世界をリードする会社です。製造部門と研究部門は、世界の人びとと機器を繋ぎながら、さまざまな分野で革新的な製品やソリューションを提供しています。大陸間、都市間、そして住宅街、さらに各住宅内、オフィス内のデジタルユーザーに、満足のいくサービスを提供するために光ファイバー、光ケーブル、光部品を供給しています。OFS社の歴史は1876年までさかのぼります。さらに、世界の技術をリードしてきたAT&Tおよびルーセントテクノロジーズ (現アルカテルルーセント)も同社の前身です。現在OFS社は、光通信のリーダーである古河電気工業㈱の100%出資子会社です。
OFS社に関する情報はhttp://www.ofsoptics.com/index.phpでご覧いただけます。

以 上

この件に関するお問い合わせ

一覧に戻る