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信越化学、台湾にフォトレジスト関連製品の新工場を建設、リスク分散を実現


2015.04.09

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:森俊三)は、フォトレジスト関連事業の拡大をめざし、台湾に工場を新設する。現在、台湾当局に建設許可を申請しており、許可が取れ次第、建設工事に着手する。工期は1年程度、投資金額は約130億円を見込む。

フォトレジストは、半導体デバイスの製造に欠かせない感光性の樹脂。シリコンウエハーにレーザー光などの光を照射し、集積回路を焼き付ける露光工程で使われる。

信越化学は、1991年に新規事業を創出する目的で金川千尋会長(当時は社長)を委員長とする「Z委員会」を設置。同委員会のテーマの一つとして、フォトレジストの研究開発に取り組んだ。

当時、露光工程では主にg線やi線など高圧水銀ランプが光源として使われていた。次世代の微細化に向けては、新たな光源としてKrFエキシマレーザーが注目されていた。フォトレジスト業界に最後発で参入した信越化学は、当初から難度の高いKrFエキシマレーザーに適したフォトレジストの開発に取り組んだ。長年培ってきた合成技術を生かし、顧客の求める高感度の製品の開発に成功。1997年に直江津工場(新潟県)で生産を開始した。

信越化学はさらに、市場が拡大しているArFエキシマレーザー用のフォトレジストや、回路パターンの寸法精度を向上させる多層レジスト材料を開発。最先端のフォトレジスト関連製品を顧客に提供することで、事業を成長させてきている。

フォトレジスト関連製品の需要は、半導体デバイスの生産量の増加や微細化の進展により、アジアとアメリカで伸びている。信越化学は、需要地の一つである台湾で生産を行うことで、フォトレジストの需要の伸びを着実にとらえていく。また、従来の直江津工場と併せフォトレジスト関連事業で2つの生産拠点を持つことでリスクの分散を実現し、事業の更なる強化を進めていく。

以 上

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