ニュース

希土類磁石の値上げについて


2011.06.07

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:森俊三)は2011年7月1日出荷分より、同社の主要製品の一つである希土類磁石(レアアースマグネット)の値上げを国内・海外向けともに実施いたします。

希土類磁石の主原料であるネオジムとディスプロシウムは主要産出国である中国の採掘制限や輸出許可枠の削減によって高騰を続けています。従来から、希土類磁石製品の販売価格は希土類原料の価格変動にスライドして決められており、その価格改定は3~6ヶ月毎に行われていました。

しかし、最近のネオジムとディスプロシウムの価格は2ヶ月で3倍と異常な幅で高騰し、従来の価格改定の期間では実情に合わない状況となっております。

この為、当社は、7月出荷分より価格改定の期間を月毎とし、直近の原料価格をベースに価格を改定していくことを決定いたしました。なお今回の改定により、値上げ幅は40%以上となります。

当社は原料対策として、既に社内でのリサイクルを実施しており、さらに自動車・エアコンなどの最終製品からの希土類磁石の回収も始めています。また、希土類の分離・精製技術を生かし新規鉱山の開発にも協力するとともに、ディスプロシウムの使用量を半減する粒界拡散法の量産化を進めており、希土類原料の安定調達を図るべく全力で対応しております。しかし足下において希土類磁石製品の供給を継続するためには、販売価格の改定期間の変更は止むを得ない状況となっております。

希土類磁石は、フェライト系磁石の10倍以上の磁気エネルギーを持つ高性能永久磁石で、ハイブリッド車をはじめ省エネエアコンなど家電やパソコンのハードディスクドライブ(HDD)、産業機器用等の各種モータ用で使われており、今後さらに電気自動車や風力発電等省エネ関連で需要の伸びが予想されます。

以 上

この件に関するお問い合わせ

一覧に戻る