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信越化学 、紙製品の循環利用を促進する透明、耐水コーティング材を開発


2022.10.06

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下「信越化学」)は、段ボール等の紙製品に耐水性を付与し、かつリサイクルを飛躍的に促進する新製品「Sicle™」(サイクル)を開発しました。

一般の耐水コーティング材や耐水フィルムを使った紙をリサイクルするには、環境への負荷を考慮し、コーティング材やフィルムを分離する必要があります。本材料は、ケイ素と酸素由来の成分で構成され、これらとの分離を不要とするリサイクルを環境に負荷を与えることなく実現します。

また、本材料をコーティングすることにより、段ボール等に貼った粘着テープを剥がしても印刷が剥がれなくなります。この特性は段ボールのリユースも促進し、温室効果ガスの削減にも貢献します。

地球上に豊富なケイ素と酸素から作られている新製品の「Sicle™」で含浸、コーティングした段ボールは、以下の特長を発揮します。

  • ①高い耐水性。雨に濡れても強度を維持し、置き配の大事な荷物を守ります。
  • ②リユースが可能。コストを削減出来ます。
  • ③段ボールのリサイクルが可能。古紙リサイクル工程で使用される溶解液(か性ソーダ)に「Sicle™」は溶解され環境に悪影響を及ぼしません。
  • ④着火しても燃え広がらない難燃性。

段ボールは、古紙を主原料としリサイクルが容易である点から、地球環境に優しい包装資材として食品、飲料を始め広い業界で使用されています。近年は電子商取引の拡大に伴う包装資材の需要の高まりにより、段ボール需要は堅調に伸びており、今後も成長が予測されています。災害発生時には避難所で段ボール製ベッドの活用が広がっているほか、一般家庭向けのテーブル、椅子、収納ケースなどの段ボール製家具や物流で用いられる段ボール製パレットも注目を集めています。

「Sicle™」は、それぞれの用途で段ボールに高耐水機能を付与し、包装資材としての段ボールの高機能化に寄与します。更に本製品は環境保全と資源循環の観点により段ボールの新たな市場の開発を促進します。

信越化学は、これまで培ってきた技術力を生かして、高機能の製品を開発し供給することで、顧客のさまざまな課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

以上

■参考資料

Sicle-10分間シャワー散水

高圧のシャワーで10分間、水を浴びせた段ボール
(左:Sicle™のコーティング無し、 右:Sicle™のコーティング有り)

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