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信越化学、業界初の乳化剤を使用しない水系速硬化シリコーンレジンを開発

有機溶剤非含有でVOCフリー化や温室効果ガス削減に貢献

2024.03.14

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下信越化学)は、業界初※の乳化剤を使用しない水系の速硬化型シリコーンレジン「KRW-6000シリーズ」を開発いたしました。

シリコーンレジンは耐候性や耐熱性などの優れた性能を有することから、塗料やコーティング剤などの用途に使用されています。近年は、水系シリコーンレジンへの期待が高まっています。

従来の水系シリコーンレジンには乳化剤が使用されています。乳化剤が添加された水系の製品を有機溶剤系のシリコーンレジンと比較すると、皮膜特性が劣る傾向があります。また乾燥と硬化に時間を要するという課題がありました。「KRW-6000シリーズ」は、乳化剤を使用していないため皮膜特性が良好で、加熱により速硬化も可能です。主な特長は下記の通りです。

1.乳化剤を使用しない水分散型シリコーンレジン
乳化剤を使用していないため、耐水性に優れた皮膜を形成します。また、硬化後はシリコーンのみの無機皮膜となるため、長期にわたり耐久性、耐候性に優れています。このため、耐候性塗料のバインダーや各種添加剤に適しています。

2.有機溶剤非含有でVOCフリー化に貢献
有機溶剤を含有していない水溶媒タイプで、硬化反応で発生する物質も水のみのため、VOCフリー化に貢献します。また、水が蒸発することでタック感のない皮膜を形成するため、作業性にも優れています。

3.低温、短時間で速硬化が可能で温室効果ガス削減に貢献
室温で硬化が進行することに加え、80~150℃程度の加熱を数分間行うことにより硬化が促進されます。従来の有機溶剤系シリコーンレジンに比べ、低温、短時間で硬化が進行するため、温室効果ガスの削減に貢献します。

4.高硬度の皮膜を形成
最高硬度4Hの高硬度の皮膜の形成が可能です。また、皮膜がより柔軟なタイプも取り揃えています。

信越化学は、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして付加価値の高いシリコーン製品を開発・供給することで顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

※当社調べ(2024年2月末時点)

■参考資料

耐候性塗料のバインダーへの応用

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