従業員インタビュー1
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フェロモン製剤を開発し
農業・食のサステナビリティに貢献
直江津工場 合成技術研究所
E.O.
2007年に信越化学に入社。
2011年から合成技術研究所に所属し、フェロモン製剤の研究開発を担当。
生物多様性の保全に寄与するフェロモン製剤を開発
私は農業害虫を防除するフェロモン製剤の開発を担当しています。フェロモンは昆虫が同種の個体間で情報伝達するために体内から分泌する物質で、害虫のメスがオスを誘引する性フェロモンを人工的に合成して利用することによって交尾を阻害することができます。
フェロモン製剤は対象害虫にのみ作用するため、生態系に悪影響を与えずに農作物を保護でき、生物多様性の保全につながります。また、フェロモン製剤の使用により、殺虫剤などの化学農薬の使用頻度が減り、水資源の保全や土壌汚染の防止にも役立ちます。さらに、化学農薬が繰り返し散布されることで生じる害虫の抵抗性発達を抑えられますし、農薬散布では届きにくい葉や枝の内部に潜んでいる害虫に対しても効果が期待できます。
このように、フェロモン製剤は農業や食のサステナビリティに大きく寄与する製品と言えます。特に当社の製品は均一放出性能に優れ、高い防除効果を安定して発揮する点が強みとなっています。
生分解性樹脂を用いた製剤の導入を推進
当社は「つくる責任」として、フェロモン原体製造から製剤製造まで全工程を一貫して管理し、地球環境にやさしい生分解性樹脂を用いたフェロモン製剤の開発、導入に注力しています。私は、この生分解性樹脂を用いたフェロモン製剤のヨーロッパへの導入に携わってきましたが、その際に、当社が生分解性樹脂適用の検討を開始したのは今から30年以上も前のことだったと知り、先輩方の未来志向な開発テーマの選択に非常に刺激を受けました。サステナビリティに貢献する製品が時代の要請となっている中で、「当社の製剤ができることは何か」問いかけを忘れずに研究開発を進めていきたいです。
対象害虫種と対象作物群の拡大に注力
フェロモン製剤を普及させることが、サステナビリティへの貢献につながると考えています。そのために特に研究グループとしては、新規害虫を対象とする製品開発(新規フェロモン成分の合成・製剤化・防除効果検討)、そしてまだ普及が進んでいない作物に適した新しい製剤形状の開発が重要であると考えています。フェロモン製剤のさらなる普及と発展を目指し、グループ一丸となって製品開発を進めていきます。
