ワークライフバランスのための取り組み
信越化学グループは、従業員の雇用の安定を第一に考えます。従業員が安心して仕事に打ち込み、良い仕事をして良い成果を上げることが会社の成長につながります。こうした考えのもと、日頃の勤務における労働時間の適切な管理や有給休暇を取得しやすい環境づくりに加え、結婚、出産、育児、病気の治療、介護など人生の中で起こるさまざまな事柄に柔軟に対処できる制度を用意しています。これらの会社の取り組みは、従業員による会社への帰属意識を高め、従業員が自発的に会社の成長に貢献したいという意欲の向上につながっています。
労働時間の適切な管理
当社グループは労働時間管理の意識を高め、長時間労働を是正し、生産性の高い職場づくりを目指しています。そのために、工場の出入口に設置されているセキュリティーゲートを通過する際はICカードを使用することや、パソコンのログなどで正確な勤務時間を把握する仕組みを積極的に導入しています。また、フレックスタイム制や在宅勤務の運用など、柔軟で生産性の高い働き方を可能にする制度や環境を整備しています。
年次有給休暇
当社では、有給休暇について、取得計画表の運用や取得奨励など事業場、職場ごとの取り組みを基本とし、きめ細かな実績管理により、全体で8割程度の取得率を維持しています。特に連続操業が不可欠な化学品製造を行う当社では、年末年始を含め年間を通じて現場を支える交代勤務者がいますが、相互に協力し合う文化が醸成されており、高い取得率を達成しています。従業員が高い意識のもと協力して現場を支え、安全、安定操業を堅持しています。
育児支援
信越化学グループは従業員の出産と育児を支援しています。当社は、出産や育児に関わる制度や手続きをまとめた「出産・育児ガイドブック」を発行し、制度を利用しやすい環境づくりに努めてきました。その結果、当社で子どもが満3歳になるまで取得可能としている育児休業制度について、2年連続で男性の平均取得率が80%を超えるなど多くの従業員に利用されています。また、配偶者の出産時には有給休暇を5日間付与しています。1日2時間まで勤務時間を短縮する短時間勤務制度は、子どもが小学校を卒業するまで利用することができます。さらに、在宅勤務制度の活用も推進しています。なお、海外グループ会社では現地の法令に従って育児を支援しています。
育児支援のための主な制度(信越化学)

※12017年10月より、条件を満たした場合は最長2歳になりました。
(人) | ||||||
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
連結 | 156 | 151 | 283 | 196 | 351 | 217 |
国内 | 66 | 27 | 114 | 29 | 160 | 29 |
海外 | 90 | 124 | 169 | 167 | 191 | 188 |
※2育児休業期間は各国の法律に従っているため、国によって異なります。
(%) | ||||||
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
信越化学の従業員および出向者 | 87.2 | 100 | 87.7 | 100 | 96.2 | 100 |
関連情報
介護支援
当社グループでは介護をしながら働く従業員のために、下表のような介護支援制度を設け、介護をしながら仕事を続けていくことができる環境を作っています。下表の制度のほかにも、親の介護を理由に別居状態となっている従業員に対して月に一度帰省旅費を支給するなど、個々の事情に可能な限り寄り添った制度と運用で介護に向き合う従業員を支えています。
また、当社では介護に関わる会社の制度や介護保険制度の説明などを一冊にまとめた「介護ガイドブック」を発行しています。さらに、2014年度より「健康管理・介護サポート」サービスの提供を始め、社外の専門家による相談窓口を設置しました。
介護支援のための主な制度(信越化学)

(人) | ||||||
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||||
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信越化学および国内連結会社 | 3 | 2 | 4 |
キャリア支援
新幹線通勤制度
1989年から導入していた新幹線通勤制度を2023年に拡充し、工場がある地区への通勤にも新幹線を利用できるようになりました。従来までは、工場地区から本社地区への通勤にのみ新幹線を利用できましたが、制度の適用範囲が拡大されました。共働き世帯が増加する中、夫婦が別居や離職することなくキャリアを継続しながら、勤務することが可能になりました。
配偶者海外赴任帯同休職制度
2023年から当社グループでは配偶者海外赴任帯同休職制度を導入しました。海外赴任をする配偶者に帯同する場合に、最長3年間休職できる制度です。当社グループで築いてきたキャリアを継続するとともに、帯同中の海外生活におけるさまざまな経験や海外で得られた新たな視野や価値観を、帰国後のキャリア形成につなげることができます。
退職者登録制度(リターン雇用制度)
配偶者海外赴任帯同休職制度に加え、同じく2023年から退職者登録制度(リターン雇用制度)を導入し、多様なキャリアデザインの要請に対応できる体制を整備しました。当社のリターン雇用制度は、出産や育児、介護、配偶者の転勤、病気やけがなどの家庭の事情などで退職せざるを得なくなった社員を再雇用する制度で、退職から最大10年を再雇用対象としています。
福利厚生
積立年休制度
当社グループでは就業規則に基づき付与されている年次有給休暇が失効した場合に、一定の日数を積立年休として取り扱っています。積立年休は、家族の介護や私傷病、地域災害ボランティア活動、臓器や骨髄移植のドナーとなる時などに使用することができます。
従業員のホットライン
当社グループでは仕事の悩みなどを相談できる窓⼝として、社外の専⾨カウンセラーが対応する「ダイヤルShin-Etsu」を設けています。匿名、秘密厳守で相談を受け付けていますが、相談者の希望があればカウンセラーから⼈事部⾨へ連絡を取り、対応を検討することも可能です。
従業員持株会制度
従業員の中長期的な財産形成の一助とすることを目的として、1979年に発足しました。従業員が給料および賞与の天引きの形式で株式の購入資金を拠出し、従業員持株会が定期的、継続的、計画的に当社株式を購入、その株式の配当を株式購入に再投資しています。従業員持株会によって、より多くの従業員が経営への参画意識を高め、株主の皆さまと中長期的な企業価値向上への意識を共有することにつながっています。
その他の制度
当社グループではそのほかにも、財形貯蓄制度、さらに結婚や出産、急な家族の⼊院などを⽀援するための共済会を設けています。
福利厚生施設
寮/社宅
通勤可能な地域外に自宅がある当社グループ従業員のために、当社本社および各工場の周辺に寮や社宅があります。
保養所
神奈川県、静岡県、福島県、新潟県に直営保養所があります。当社グループの従業員がこれらの保養所を利用する場合は、家族や友人も利用することができます。さらに、社外の保養所とも提携し、利用者には補助金が支給されます。

関連情報
※「ワークライフバランスのための取り組み」での信越化学グループの対象は、信越化学の従業員と出向者です。