全ての活動の礎:法令遵守、公正な企業活動

方針

遵法に徹して、公正に企業活動を行います。

課題の認識

「法令遵守と公正な企業活動」が信越化学グループの全ての活動の礎です。

法令遵守はもとより、従業員一人一人が自己規範として高い倫理意識をもって日々の仕事に取り組むことで、企業の長期的な発展に取り組んでいます。

KPI

  • 重大な法令違反件数:0件

(2023年度実績)

法令遵守の徹底

信越化学グループは、法令遵守を徹底した企業活動を行っています。企業活動に関係する法令の制定や改正があった場合には、法務部門が社内に通達し、周知徹底を図っています。また、重要な法令への理解を促すため、社内報での重要法令の解説記事の連載や、外部講師を招いた講演会を開催しています。2023年7月には専門弁護士を招き、独占禁止法と贈収賄関連法規(カルテル、不公正な取引方法、贈収賄など)の講演会を開催し、信越化学および国内外のグループ会社 48社の従業員849名が参加しました。さらに2023年9月から11月にかけて、国内全グループ会社(45社)に対し、独占禁止法遵守と贈収賄防止に関するアンケートを実施しましたが、問題となる事案はありませんでした。また、イントラネットにおいて、価格交渉促進月間、物流特殊指定(特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法) などについて、国内グループ会社に情報提供を行いました。米国、EU、中国の企業結合規制などについて、海外グループ会社に情報提供を行いました。2023年11月に、公正取引委員会・中小企業庁の下請取引適正化推進講習会(ウェブセミナー)を案内し、信越化学および国内グループ会社27社の従業員996名が受講しました。

全ての役員および従業員は、会社に対して「コンプライアンス誓約書」を提出しています。「コンプライアンス誓約書」には、独占禁止法の遵守や利益相反行為の禁止など、法令、倫理および会社の諸規程の遵守に関する内容が記載されています。 万が一、不適切な行動があった場合には、懲戒などの処分が科されます。

独占禁止法遵守に関する講演会
(2023年7月 信越化学本社)

役員および従業員は、法令違反を発見した場合は「コンプライアンス相談室」に通報しなければならないことが定められています。

コンプライアンス相談室は、業務にあたって法令、倫理、会社の諸規程に違反の疑われる問題が生じた場合、または生じるおそれがあることを知った場合に相談、通報する窓口です。信越化学グループの役員、社員、顧問、嘱託、パート、アルバイト、派遣社員などの従業員および退職者は、誰でもこの相談室を利用することができます。信越化学ではイントラネットに相談室の案内を掲載し、従業員に周知しています。また、2022年6月に、公益通報者保護法の改正に伴って「コンプライアンス相談・通報規程」を改定、14言語に翻訳し、当社グループ全社に周知しました。

コンプライアンス相談室に通報があった場合は、調査担当部門が通報の内容を調査し、会社は事実を正確に把握した上で必要に応じて是正措置をとります。相談者や通報者の秘密は守られ、相談や通報したことを理由として不利益な扱いを受けることはありません。

コンプライアンス相談・通報から是正措置まで

図:コンプライアンス相談・通報から是正措置まで。相談者通報者→受付「コンプライアンス相談室」→調査の実施、是正措置の必要性の検討「調査チーム(信越化学業務監査部及び関係部門等)」→是正措置「信越化学グループ各社の関係部門等が実施」→フィードバック→

信越化学の取り組み

J-SOX対象外のグループ会社にも監査を実施

信越化学本社業務監査部では、金融商品取引法に基づく財務報告に関わる内部統制報告制度(J-SOX)の対象外となっているグループ会社にも業務状況監査を実施し、各社の現預金管理、購買、固定資産・棚卸資産管理、債権保全などの各業務が適切な内部統制の下に行われていることを確認しています。当社は独占禁止法に特に注意を払い、独自の「独占禁止法遵守指針」を制定し、業務監査部は当社グループ各社が独禁法に違反する行動を取っていないかを確認しています。その他、「安全保障輸出管理監査」を行い、グループ各社の輸出管理体制が適切に整備、運用されていることを確認しています。さらに、不正防止の観点から「印鑑管理状況監査」を実施し、組織の意思表示に用いる社印や部印などの公印が適切に管理、使用されているか、また、支払許可権限を有する者の私印についてもその管理状況を確認しています。

腐敗防止への取り組み

当社はサステナビリティの基本方針で、遵法に徹して企業活動を行うことを宣言しています。贈収賄に一切関与しないことを明確に示すために、2015年に「贈収賄防止規程」を制定しました。贈収賄防止規程の適用範囲は当社の役員、従業員、派遣社員で、公務員等に対する贈賄の禁止、公務員等以外に対する贈賄の禁止、収賄の禁止、懲戒について定めています。

また、「コンプライアンス誓約書」の提出により、国内外の公務員やお客さま、お取引先さまに対する不当な便宜の供与や要求の防止を徹底しています。

さらに、倫理全般の遵守状況を人事評価の項目の一つとすることで、従業員の法令遵守に関する意識の向上に努めています。汚職、横領、賄賂に関する定期的な内部監査も実施しています。

海外グループ会社については、トランスペアレンシー・インターナショナル(腐敗問題に取り組む国際的な非政府組織)が公表している国別の腐敗認識指数をもとに、所在国、会社の規模、業務内容などの事情を加味し、贈収賄や腐敗防止に関するリスクアセスメントを実施しています。

2023年7月には腐敗防止に詳しい弁護士を招き、贈収賄防止に関する講演会を開催し、信越化学および国内外のグループ会社 48社の従業員849名が参加しました。さらに2023年9月から11月にかけて、国内全グループ会社(45社)に対し贈収賄防止に関するアンケートを実施しましたが、問題となる事案はありませんでした。

関連情報

GCNJ「腐敗防止強化のための東京原則」に賛同

当社グループは遵法に徹して企業活動を行うことをサステナビリティの基本方針に掲げ、贈収賄をはじめとする腐敗の防止に取り組んでいます。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)の「腐敗防止強化のための東京原則」は、当社グループのこれまでの腐敗防止への考え方や取り組みに合致しているため、当社グループはいち早く賛同を決定し、2018年2⽉に賛同書に署名しました。また、2023年10月に開催された、海外贈賄防止委員会(ABCJ)とGCNJとの共催による「腐敗防止年次フォーラム2023」にパネリストとして参加し、「日本企業における腐敗防止実務の現状および展望」をテーマにディスカッションを行いました。

引き続き、法令遵守と公正な企業活動を旨とし、同原則と腐敗防止に関する社内規程に従って業務に取り組んでまいります。

輸出管理

当社では、「外国為替及び外国貿易法」などの輸出関連法規に対応するため、「安全保障輸出管理規程」を定めています。この規程に従って、以下に取り組んでいます。

  • 製品の輸出の際の該非判定、顧客審査、取引審査
  • 内部監査
  • 役員、従業員への教育、グループ会社への指導

反社会的勢力との関係遮断

当社グループは、反社会的勢力に対して毅然とした態度を貫き、一切の関係を遮断することを、「内部統制基本方針」で宣言しています。この方針に基づいて、対応統括部署を中心とした体制を整備し、お客さま、お取引先さまと反社会的勢力の排除に関する確認書や覚書などの締結を行っています。また、外部専門機関と緊密に連携しています。

関連データ

項目 対象範囲 単位 2021年度 2022年度 2023年度
贈収賄防止規程の違反者数 連結 0 0 0
汚職に関連する罰金やペナルティ 連結 0 0 0
コンプライアンス相談室通報件数 信越化学グループ 9 8 11