信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下信越化学)は、ケイ素化学を駆使した課題解決(Shin-Etsu Silicones Solution-EngineeringTM)の一環として、新規のパーソナルケア用品向けシリコーン製品を開発しました。
パーソナルケア業界では、多様な消費者のニーズや環境問題への対応、生産の効率化など、さまざまなテーマで研究開発が進められていますが、信越化学ではこれらの要求に応える新製品をラインアップに加えました。
【新製品のご紹介】
「KF-6070W」と「KF-6080W」は、ジメチルシリコーンオイル(化粧品表示名称:ジメチコン)の分子構造のメチル基の一部を親水性官能基に置換したシリコーンです。いずれも親水性官能基による水との高い親和性に加え、シリコーンの優れた特長である高い流動性やべたつきのない滑らかな使用感を化粧品などに付与できます。
「KF-6070W」は水溶性のシリコーンワックスで、肌の上で滑らかに溶けて広がる使用感が特長です。水系やO/W(Oil in Water (*1))系のヘアケア、スキンケア、ベースメイクアップ製品の感触改良剤として幅広く用いることができます。また、「KF-6080W」はO/W剤型(*2)用のシリコーン乳化剤です。べたつきが少なく、滑らかな感触の処方を設計することが可能です。室温で流動性があるため、パーソナルケア用品の製造でコールドプロセス(*3)の採用が可能な製品です。
「KSG-16-SF」と「KSG-19-PF」は、高い光拡散性を有するシリコーンエラストマーゲルです。「KSG-16-SF」は高いソフトフォーカス効果、「KSG-19-PF」は軽いパウダリーな使用感が特長です。いずれもパーソナルケア用品で使用されるマイクロプラスチックビーズの代替原料となり得るため、その可能性も追求していきます。
これらの新製品は、2025年5月14~16日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催される「第12回化粧品産業技術展」(CITE JAPAN 2025)の当社ブースで展示を予定しています。
シリコーンは、オイルやエマルジョン、ゲル、パウダーなどの各種製品があり、パーソナルケア用品の原料に求められる高い機能と品質を兼ね備えています。信越化学では、今後もパーソナルケア用品の付加価値向上に不可欠なシリコーン製品の拡販に取り組むとともに、サステナビリティに貢献してまいります。
*1 O/W(Oil in Water)… 水に油滴を分散させ、均一に混じり合わせた(乳化)状態。
*2 剤型 … 外見上の形状のこと。パーソナルケア用品の企画・開発段階で重視される要素の一つ。
*3 コールドプロセス … 加熱溶解させる必要のないプロセスのこと。
以上
■参考資料
「KF-6070W」の性状変化
塗布前 塗布後
肌上では、滑らかに溶けて広がります。

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