信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下「信越化学」)は、ケイ素化学を駆使した課題解決(Shin-Etsu Silicones Solution-Engineering™)の一環として、これまで困難だったリサイクルを実現する熱可塑性シリコーンを開発しました。
プラスチック・ゴム製品は、「熱可塑性」タイプと、「熱硬化性」タイプの二つに分類されます。「熱可塑性」タイプは熱を加えると軟化・流動化し、冷却すると固化するもので、リサイクルが可能です。一方、「熱硬化性」タイプは熱を加えると硬化するもので、リサイクルは困難です。シリコーンゴムは、一般的には「熱硬化性」に分類されています。
今回、開発した熱可塑性シリコーンは、長年培ってきたポリマー変性技術を駆使することで、従来のシリコーンゴムにはない以下の特長を実現しました。
1.熱可塑性のため、リサイクルが可能です。
2.従来のシリコーンゴムとは異なり、高硬度(ショアA※1 80以上)でも高伸長(切断時の伸び:800%以上)の特性を有しています。
3.無機粉体(シリカなど)を含有していないため透明性に優れ、着色も可能です。
4.加工性に優れ、プラスチックと同様の射出成形が可能です。
5.溶剤タイプにすることが可能で、コーティング用途にも展開できます。
6.肌合いが良く、シリコーンならではの柔らかな感触があります※2。
信越化学の熱可塑性シリコーンは、ゴムのように弾力性のあるものからプラスチックのように固いものまで、お客様のニーズに合った製品を提供することが可能です。製品の特長から、モバイル機器やスポーツ用品などの肌に触れる部分のゴム部品、医療や介護などに用いられる各種機器の表面コーティングなど、従来のシリコーンゴムとは異なる用途を想定しています。
なお、2025年11月12~14日に幕張メッセ(千葉市)で開催される「第14回高機能プラスチック展」の当社出展ブースで参考出品を予定しています。
信越化学は、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして付加価値の高いシリコーン製品を開発・供給することで、顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
※1:物質の硬度を測る試験方法の一つ。
※2:組成によって感触は異なります。
■参考資料

成形前のペレット形状

着色した成形サンプル
この件に関するお問い合わせ
- 信越化学工業(株) 広報部 小石川
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