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次亜塩素酸ソーダ製造設備新設について


2013.05.01

信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:森俊三)は、「低食塩 次亜塩素酸ソーダ」の製造設備を直江津工場(新潟県上越市)に新設しました。生産能力は年間1万5千トンで、4月から操業を開始しました。

次亜塩素酸ソーダは、アルカリ性の滅菌剤として上下水道や飲料水など殺菌用途に広く使われていますが、化学的に不安定な物質で経時変化が激しいため、長時間の輸送や保管など取扱いが難しいという一面があります。か性ソーダと塩素で生成されるため、おもに電解設備を有するメーカーが製造し、それぞれの製造地域で販売および消費されています。

これまで当社直江津工場が立地する新潟県と、長野県および群馬県も含めた上信越地方には、次亜塩素酸ソーダを製造するメーカーが一つもなく、同地方で使用される次亜塩素酸ソーダは、遠距離の関東および東北地区のメーカーから供給されていました。2年前の東日本大震災では、関東および東北地区の次亜塩素酸ソーダの製造工場が一時すべて停止したことで、東日本、ひいては上信越地方の上下水道の安全性の維持が危惧される事態となりました。今後の発生が懸念される地震などの大規模な自然災害、そして最近のノロウィルスやO-157といったウイルス性感染症の増加等を考えますと、上信越地方で次亜塩素酸ソーダを安定供給することは電解設備を持つ当社の社会的責任であり、製造設備を設置することが急務であるという考えに至りました。

また、安全で美味しい水を求める社会的ニーズは一段と高まってきています。近年水道法が改正され、水道水に投与される滅菌剤である次亜塩素酸ソーダの高品質化が要求されるようになり、日本水道協会は平成22年1月1日付で従来の規格より更に高い品質の「特級」規格を制定致しました。今回当社に新設した製造設備は、この規格に対応するもので、不純物である食塩などの含有量を低減した次亜塩素酸ソーダを生産いたします。信越化学は、ライフラインに不可欠な高品質の次亜塩素酸ソーダを供給することで、上信越地方の皆様に安全で美味しい水を安定してお届けするという重要な役割の一翼を担い、地域の期待に応えてまいります。

 

以 上

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