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信越化学、ウエアラブルデバイス向け新材料を開発
信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下「信越化学」)は、心拍数や心電波形などの生体情報を、身体に装着したまま測定し、送信する機器(以下「ウエアラブルデバイス」)の特性向上に資する「生体ドライ電極」と「高伸縮性配線材料」を新たに開発しました。この材料により、ウエアラブルデバイスが備える機能、装着性と使いやすさが飛躍的に向上し、使用者に高い「QOL」(生活の質)を提供することが可能となります。
健康管理への意識や在宅治療の必要性が高まる中、ウエアラブルデバイスによる生体情報を測定する機会が増えています。特に24時間以上、肌に直接装着し生体情報を取得するヘルスパッチの場合、装着者には不快感によるストレスが生じます。また、1週間に及ぶ長期の測定ともなると、生体信号の取得が不安定となることも起こり得ます。
これらの問題の解決に向け、信越化学は以下の材料を新たに開発しました。
1)生体ドライ電極
ウエアラブルデバイスで生体信号を取得する入り口の働きをする電極として開発しました。生体適合性に優れたシリコーンをベースとし、特長は以下の通りです。
①装着感:シリコーンは肌に馴染みかぶれにくく、また、厚みを髪の毛と同じくらい薄くすることにより柔軟で着けていることを感じさせない。
②信号取得性能:シリコーンの粘着性を最適化することで、装着者の動きに追従し、安定した心電図信号の取得を実現。
③耐水性:シリコーン由来の耐水性により、従来のジェル電極では成し得なかった、装着したままでの入浴を可能とした。
これらの特長を有する生体ドライ電極を用いたヘルスパッチは、Holst Centre社(蘭)と共同で実施した装着の評価において、1週間に及ぶ連続装着でも安定した生体信号の取得を実現しました。
2)高伸縮性配線材料
取得した生体信号を信号処理デバイスへ伝達する配線向けの材料です。ヘルスパッチの配線には、装着者の動きに合わせた細やかな追従性が求められます。伸縮テストを繰り返し行っても導電率は保たれ、長時間の装着に耐えうる強度が必要なヘルスパッチの材料として最適です。
なお、これらの材料を用いたヘルスパッチは、MEDICA Connected Healthcare Forum(2021年11月14日~17日、独デュッセルドルフ)においてHolst Centre社により紹介されています。
信越化学は、ウエアラブルデバイスの進化に寄与する材料を提供することにより、健康不安を抱いている人々の負担の軽減と医療の効率化に取り組み、人々が健康な生活と長寿を享受できる社会の実現に貢献してまいります。
信越化学の材料が使われたヘルスパッチ
(黒い部分が生体ドライ電極、それらを繋ぐ金色の線が高伸縮性配線)
この件に関するお問い合わせ
- 信越化学工業(株) 広報部 小石川
- TEL: 03-6812-2340 FAX: 03-6812-2341
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