信越スカイワードシステムズ株式会社

Voice プロジェクトストーリープロジェクトストーリー

ホーム採用案内プロジェクトストーリー
Project Story 01
~中国への基幹システム展開プロジェクト~
グローバル企業の
スピード経営を支えるために
Project 01
Project 01
Project Story 01
Project Story
本社 システム第一部
R.T.
2011年入社 工学部 情報工学科

水平展開といっても、単純ではない

タイ現地法人が利用していた基幹システムのサポート切れが迫っていた。また同時期に、一部の中国拠点でのシステム更新も重なった。そこで、タイで導入検討を進めていた基幹システムにグローバルで求められる機能を追加した上で、中国3社にも水平展開するプロジェクトが発足した。
「プロジェクトのきっかけは、グローバル化対応です。シリコーン事業本部では、日本と海外現地法人の受発注情報の電子連携や統一基準での原価計算など、グローバルでの情報共有や管理機能を強化することで、さらなる業務効率化や迅速な経営判断を実現することを目標に掲げています」とプロジェクトリーダーのT。
2年にわたるプロジェクトで、1年目に中国2社、2年目に中国1社、合計3社に基幹システムを導入。自社開発システムではなくパッケージシステムの導入だが、タイ導入時に信越要件のカスタマイズを加えていたので、その機能をうまく中国に横展開することがポイントだった。また、事業部が求める管理レベルや情報共有基盤を実現するため、各社で同じ機能を使用することが基本になっているが、タイと中国では一部の会計ルールや法規事情が異なるため、中国プロジェクトで独自のカスタマイズも必要だった。

立ちはだかる、コミュニケーションの壁

必要となる運用や業務を取りまとめ、グローバルモデルを策定することから、本プロジェクトはスタートした。実装フェーズでは、各社で実務とシステムのフィット&ギャップを詰めながら、目指す要件に近づけていく。最終的にプログラムや各種データが揃った段階で、実務想定の運用テストを行い、既存システムからのデータ移行等の本番移行を実施した。
基幹システムの更新プロジェクトとなるため、1つの会社の中でも経理、購買、販売、製造、品質保証など、関係する部門が多数あり、それが3社それぞれに存在していた。さらに導入ベンダーも日本と中国現地、さらにタイ現地の会社が関わり、様々なところで情報共有や調整が必要となる状況だった。
関係部署や関係者が多く、最も苦労した点はコミュニケーションだったとTは振り返る。
「立場も扱う言語も異なり、認識合わせや運用ポイントの整合に苦労しました。もちろんプロジェクトマネージメントはしていましたが、資料上では完了となっているタスクも、ふたを開けてみると当初の認識と異なる結論になっているなど、資料だけを追っていると状況の把握が後手後手に回る事態も発生しました。また、口頭で話す場合、日本語でも英語でも双方の第一言語同士ではコミュニケーションができないため、会議で問題ないと判断した課題でも、後々に認識違いが判明することも多々ありました」。

会社の成長に貢献することが自分の成長につながる

色々なトラブルはあったものの最終的には無事、中国3社に基幹システムを導入でき、今現在でも中国3社では当該システムを利用している。現在もTはサーバOSやアプリケーション保守期限に応じた更新対応など、サポート業務で本基幹システムに関わっている。「自身が主導で導入したシステムが毎日利用されており、今や会社になくてはならないものとなっていることがよくわかるため、関係者全員で一緒に頑張ってきた成果を明確に感じています」。
また、当時のコミュニケーションの課題を踏まえ、資料の確認だけではなく、クロスチェックのため各関係者に確認を取ることを意識するようになったという。「確認の取り方も単純に質問するだけではなく、お互いに議論して認識のずれがないか確認したり、既存の実務資料やデータベースが存在するなら、データと運用の不整合がないか自身で調査、チェックしたりすることで、認識齟齬を防いでいます」。
今回のプロジェクトは自分の成長につながったとTは締めくくる。「基幹システム導入というプロジェクトを通して、会社全体の業務フローへの理解が深まりました。このプロジェクト以降の案件でも、要件定義や仕様作成時に主軸となる知識が身についていることを実感しています」。