水平展開といっても、単純ではない
タイ現地法人が利用していた基幹システムのサポート切れが迫っていた。また同時期に、一部の中国拠点でのシステム更新も重なった。そこで、タイで導入検討を進めていた基幹システムにグローバルで求められる機能を追加した上で、中国3社にも水平展開するプロジェクトが発足した。
「プロジェクトのきっかけは、グローバル化対応です。シリコーン事業本部では、日本と海外現地法人の受発注情報の電子連携や統一基準での原価計算など、グローバルでの情報共有や管理機能を強化することで、さらなる業務効率化や迅速な経営判断を実現することを目標に掲げています」とプロジェクトリーダーのT。
2年にわたるプロジェクトで、1年目に中国2社、2年目に中国1社、合計3社に基幹システムを導入。自社開発システムではなくパッケージシステムの導入だが、タイ導入時に信越要件のカスタマイズを加えていたので、その機能をうまく中国に横展開することがポイントだった。また、事業部が求める管理レベルや情報共有基盤を実現するため、各社で同じ機能を使用することが基本になっているが、タイと中国では一部の会計ルールや法規事情が異なるため、中国プロジェクトで独自のカスタマイズも必要だった。