社員紹介詳細 | 信越化学工業新卒採用情報

人の力が私たちの素材です

EMPLOYEE

社員紹介

新しい解析手法で
研究開発を加速させたい

磁性材料研究所　第二部開発室
2018年入社　理工学研究科　物理学専攻

自他の経験や
過去のデータを大切に

学生時代は固体物理学を専攻しており、専門分野が活かせる仕事を探していました。信越化学の製品は幅広い分野で多数ありますが、特に磁石や半導体などの電子材料分野が、自分の専門分野と重なります。また、多くの事業、製品で世界トップシェアを持っており、最先端の素材の開発に携われる点も魅力に感じました。さらに、機械化や合理化に積極的な雰囲気に共感し、これからの時代に合った会社なのではないかと思い入社を決めました。
現在は、ネオジム磁石の高特性化の研究を行っています。ネオジム磁石は、ハイブリッドカーや電気自動車、エアコン、風力発電のモーターなどに使われています。強力な磁力をもつネオジム磁石を使うと、モーターを高効率化することができ、省エネ、脱炭素といった社会課題に貢献できます。近年は、ネオジム磁石の需要が急速に伸び、主原料であるネオジムや、希少な添加元素の代替・削減が重要な研究・開発テーマになっています。
ネオジム磁石の製造工程は多岐にわたるため、仕事をする上では、自身の経験、過去のデータを参考に研究を進めています。そして、固まった考えを持ちすぎないよう、社内外の膨大な研究結果を参照することや、先輩・同僚の経験を聞くように心がけています。職場はグループの垣根なく、質問しやすい雰囲気があり、仕事にも好循環が生まれていると感じています。

常にリアルな
社会のニーズに触れながら

当社は三位一体の開発体制をとっており、営業、製造、研究が連携しながら活動しています。研究開発では特殊な仕様の磁石の試作やお客さま依頼の特殊な温度環境での製品評価などに対応しており、リアルな社会のニーズに触れながら研究開発を進められる点は魅力だと思います。社会のニーズがわかると、将来の開発テーマを考えるきっかけや自身の研究テーマの位置づけを再認識できるため、自身の業務を俯瞰することにも繋がります。
一方、社会のニーズに触れるだけでなく、それに応えることが求められます。私も開発中の工程を使って作製した高特性な磁石を試作してお客さまへ提出する機会がありました。しかし、試作の前に、スケールアップ設備を使って事前にテストを行ってみたところ、目標の特性が出ないという問題が生じました。先輩にも相談して原因をいくつか考え、工程の要素を一つずつ調べなおしてみると、材料の組成が狙いからわずかに外れていることがわかりました。そこで、当初予定していた作製条件は、組成範囲のぎりぎりであったことが分かり、組成条件を余裕のある範囲で複数振って、再テストを行い、無事に目標の特性を出す事ができるようになりました。このように、社会が求める厳しい性能を達成する難しさや面白さも感じています。
信越化学にはトップの性能を目指す姿勢だけでなく、データに基づいて一歩ずつ研究を進める風土があり、それらがニーズを満たす最高性能の磁石を開発・量産できる要因だと思います。

近い将来はAIや
ビッグデータの活用も

ネオジム磁石は発明から長年、産業界、学術界で研究されてきた材料ですので、入社前はどういった研究課題が未解決で残っているのかという点に疑問がありました。しかし、実際には、環境問題を背景に需要が急速に伸びている中、磁石特性の他、低コスト化、省資源化など市場に様々なニーズがあり、これらに応えるため日々研究を行っています。
磁石の特性を決める要因も未解明の部分が多く残っており、作製工程の工夫による開発が続けられています。私も入社後、開発中の作製工程を使って、目標にしていた高特性なグレードの磁石作製に成功することができました。作製した磁石の組織観察などに基づいて、特性向上のメカニズムの仮説を立て、改善し、目標の特性の磁石を作製することができたときは本当にうれしく、また、面白く感じました。その後は、開発中の磁石作製工程を使って、さらに高特性化するポテンシャルがまだあるのではないかと考え、研究を続けています。
所属している磁性材料研究所にはネオジム磁石に限らず、様々な材料の開発をしている人たちがおり、様々な材料、実験手法の話を自分の業務にも参考にしています。また、近年ではビッグデータやAIの活用など、新しい解析手法が材料開発の分野へも取り入れられるようになってきており、今後はこうした新しい手法をうまく取り入れて研究活動を加速化していきたいです。
最後に、様々なアイデアや知識を持っている方々と意見を出し合いながら一緒に働けることを楽しみにしております。

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