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信越化学、硬化特性・安全性に優れた新規硬化タイプの一液型液状シリコーンゴムの新製品を開発


2022.03.30

 信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下信越化学)は、新規硬化タイプの一液型液状シリコーンゴム「KCPシリーズ」の新製品を開発いたしました。

 一液型液状シリコーンゴムは、空気中の水分と反応して室温で硬化します。硬化後は、耐熱性、耐寒性、電気特性、耐候性など、優れた特性を兼ね備えていることから、電気自動車(EV)部品や半導体、電気・電子部品などの接着・シール材、コーティング材として使用されています。また、室温で硬化することから加熱炉や紫外線(UV)照射設備が不要で、環境負荷の低減に貢献します。

 新製品の「KCPシリーズ」は、硬化反応時にシクロペンタノン※1を放出するタイプです。現行品※2の硬化特性や安全性、取り扱い性などを改善した、顧客の期待に応える製品となっています。主な特長は下記の通りです。

  1. 硬化速度が速く、また接着効果が速く現れるので作業効率が向上する(KCP-102の指触乾燥時間※3は、従来品KE-4898-Wの2分の1の3分※4)
  2. 硬化時に発生する臭いが少なく、また安全性に優れている。
  3. 引火点が70℃以上と高いため、輸送や貯蔵時の取り扱いの手間を減らすことができる。
  4. 各種樹脂との接着性が良好で、金属の腐食性もほとんどない。

 「KCPシリーズ」は、粘度別にKCP-100(低粘度)、KCP-101(中粘度)、KCP-102(ペースト状)の3製品を取りそろえています。いずれもチューブの容器から押し出すだけで簡単に作業をすることができます。信越化学は、今後も顧客の要望に対応して、各種機能を付与した製品を開発し、製品の品ぞろえを拡充していきます。

 信越化学は、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして高機能のシリコーン製品を開発し供給することで顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

以上

※1シクロペンタノン(Cyclopentanone)は、化学式(CH2)4COで表される有機化合物。環状ケトンの一つであり、揮発性をもつ無色液体
※2現行品には酢酸、オキシム、アルコール、アセトンの各タイプがあり、それぞれ特長を有する。
※3表面を指で軽く触っても、指につかない状態になるまでの時間。
※4 硬化条件:23/50%RH

■参考資料

電気・電子部品の接着・シール

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