トップメッセージ

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2018年度、信越化学グループは9期連続増益を達成し、2期連続で過去最高益を更新しました。同時に、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献をはじめとしたESG*1活動においても着実に前進を遂げた年でした。本レポートでは、私たちが取り組んでいます経営およびCSR活動についてご紹介します。

代表取締役社長 斉藤 恭彦

代表取締役社長
斉藤 恭彦

> 代表取締役会長 金川千尋のごあいさつ

企業規範の追求

信越化学グループは、「遵法に徹して公正な企業活動を行い、素材と技術による価値創造を通じて、暮らしや社会と産業に貢献する」を企業規範として、働く一人一人が日々の仕事に誠実に取り組んでいます。当社グループでは「社会が必要とする素材を提供すること」、「私たちが住む地球が直面する課題の解決に貢献していくこと」を両輪としてこの企業規範の実現を目指しており、2018年度には以下の活動を実施いたしました。

ESG活動の強化

当社グループでは2017年8月に、従来のCSR推進委員会を発展させたESG推進委員会を発足させました。2018年度には、同委員会において当社グループが2016年2月に特定したCSRの重要課題*2の見直しを行いました。その検討結果に基づき、同委員会では当該9つの課題の全てを引き続き当社グループCSRの重要課題としていくことを決定し、ESG活動のよりいっそうの強化に取り組んでいます。

直近のESG活動の強化についてご紹介します。第一に、当社グループの気候変動に関する情報開示の強化です。当社グループは、2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)*3の提言への支持を表明し、さらにTCFDコンソーシアム*4に参加いたしました。今後は提言に沿って、気候変動に関する情報を開示してまいります。第二に、「信越化学グループ人権方針」を制定しました。当社グループは全世界の事業所で人権を常に尊重することを礎として事業に取り組んできましたが、このたび、当社グループの人権尊重への取り組みを「人権方針」としてとりまとめたものです。全世界の当社グループ会社が人権尊重を永続的に実現していくために、国際的な行動規範*5を遵守し、人権尊重のための活動を力強く推進してまいります。

SDGsへの貢献

当社グループは、2019年度経営目標において、従来の「地球環境に貢献する」を「SDGsに貢献」に変更しました。SDGsが掲げる17の目標は、21世紀を生きる私たちが等しく直面している課題であり、その解決には、目前の具体的な問題を一つ一つ解決していくことが重要です。このため、当社グループでは既存事業への投資、新製品の開発と新規事業の検討において、常にSDGsとの親和性と適合性を図っています。ちなみに、信越化学の2018年度の投資案件のうち、97%以上がSDGsに貢献するものでした。環境負荷を抑制しつつ、人間社会の持続的発展と質の向上を図っていくには、効率を極めることが必須です。そのために、当社グループが担い、果たせる役割は大きいと信じています。当社グループは既存製品の強化、新製品の開発のいずれにおいても、この目的に資するように取り組んでまいります。

公正な企業活動をさらに強化するために

当社グループは、2010年より「国連グローバル・コンパクト」に参加し、人権、労働基準、環境、腐敗防止の4分野にわたる10原則の実践に取り組んでいます。また、2018年2月には、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン*6が定めた「腐敗防止強化のための東京原則」に賛同する第一号の会社として署名しました。本原則への賛同は、当社グループの「遵法に徹し公正な企業活動を行う」という企業規範に合致するとともに、SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」の達成にも貢献します。グループ全社で本原則を共有して、企業活動の重要な規範として腐敗防止を徹底することで、日々の仕事に取り組んでいます。

レスポンシブル・ケア

当社グループは、2006年に国際化学工業協会協議会(ICCA)が定めた「レスポンシブル・ケア*7世界憲章」への支持と実行を表明し、2014年に同憲章の改訂版にも署名しました。当社グループは同憲章に従い、環境保全や保安防災、労働安全衛生などに取り組んでいます。当該年度においては、国内外の延べ23事業所で環境保安監査を実施するなど、同憲章を踏まえた活動を実行しました。

以上の通り、私たちが取り組むCSR活動の一端をご紹介しました。詳細はこのレポートの各項に詳しく説明しておりますのでご参照いただけましたら幸いです。

当社グループの役割は、当社グループの素材があったからこそ生活の質が改善、向上し、市場の課題が解決したと称される、そのような素材価値の提供です。それらを通じて、当社グループの持続的な成長を図っていきます。皆さまには、今後ともなお一層のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2019年6月
代表取締役社長 斉藤 恭彦

  • *1 ESG
    投資家などが企業のCSRの取り組みを評価するために定義したCSRの要素。Eは環境(Environment)、Sは社会(Social)、Gはガバナンス(Governance)。
  • *2 CSRの重要課題
    「法令遵守、公正な企業活動」を全ての活動の礎として、「働く人の安全の確保と健康の促進」、「省エネルギー、省資源、環境負荷の低減」、「製品の品質の向上、製品の安全性管理」、「CSR調達の推進、原料調達の多様化」、「人間尊重、人材育成、多様性の推進」、「知的財産の尊重と保護」、「社会貢献活動」、「適時、的確な情報開示、ステークホルダーとの対話」の9つを指す。
  • *3 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)
    国際金融に関する措置、規制、監督などの役割を担う国際機関である金融安定時理事会(FSB)が2015年9月に設立した、気候変動の情報開示に関する特別チーム。2017年12月に、「企業は、中長期の複数の気候変動シナリオ(2℃またはそれを下回る将来の異なる気候シナリオ)を元に自社のリスクと機会を分析し、財務への影響度を開示すべきである」との提言を発表した。
  • *4 TCFDコンソーシアム
    2019年5月に、経済産業省、金融庁、環境省が中心となって設立した団体。TCFD の提言に賛同する企業や金融機関などが一体となって、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関などの適切な投資判断に繋げるための取り組みを推進することを目的としている。
  • *5 国際的な行動規範
    世界人権宣言、ILO国際労働基準、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、国連グローバル・コンパクト「グローバル・コンパクトの10原則」などを指す。
  • *6 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
    国連グローバル・コンパクトの理念や使命を各国の企業に浸透させるために設置されている、ローカル・ネットワーク(各国支部)の一つ。経営層向けCSR教育やテーマ別勉強会、各種シンポジウムの開催など、日本におけるCSRのプラットフォームとして活動している。2019年3日末現在で300以上の日本の企業・団体が参加。
  • *7 レスポンシブル・ケア
    化学物質を扱うそれぞれの企業が、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄、リサイクルに至る全ての過程において、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し、社会との対話やコミュニケーションを行う活動。