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WORLD WIDE WORKS

SPECIAL CONTENTS 03

Case 02 United States of America Louisiana 言語の壁を超えるエンジニアリング

市川 貴之 Takayuki Ichikawa

Q1 現在の仕事について教えてください。

世界最大の塩ビメーカーであるシンテック社にて、塩ビモノマー製造工程のプロセス管理、解析、メンテナンスを行っています。アメリカのルイジアナ州にて塩ビモノマー80万トン/年の第一工場建設が進む中、2006年からその建設要員の一人として機器の購入、現場建設、試運転に従事しました。そして2008年の建設終了後、プロセスエンジニアとしての経験を積むために駐在を希望し現在に至ります。

Q2 一番の苦労した仕事について教えてください。

英語表現による応対に自信が無く、相談に踏み出せずに悩んだ時期がありました。エンジニアから要求する運転変更は生産に支障が出ないことを十分に説明し、納得してもらう必要があります。アメリカは契約社会のため一方的な説明だけでは受け入れてもらえません。この時期は、プロセスエンジニアとしての経験が浅いにも関わらず、なかなか相談に行けずに仕事の効率が悪いことを痛感しました。そこで、理論計算を含んだ書面を用いて相談する習慣を付け、現場作業に関しては工場運転員の意見を主に取り入れるように心がけました。理論に裏付けされれば英語表現に自信が無くとも、なぜその変更を実施したいのか説明しやすくなります。また工場運転員はエンジニアよりも現場が良く見えており、安全な作業を提案してくれます。時間は掛かりましたが何度も繰り返していく内にコミュニケーションも深まり改善されて行きました。

Q3. 一番うれしかったことについて教えてください。

駐在を始めて3年が経過し、着任当時よりも協力関係が築かれているのを実感します。2011年の1月から一部のプロセスの開放メンテナンスを実施しました。工場の中でもメンテナンスに時間がかかるプロセスのため、日本人担当者一人で現場監督と検査を実施するのは骨の折れる仕事です。その上、現場の担当者が固定されないのがアメリカです。社内に経験者が居ても違う担当者が割り当てられます。正直なところ、毎度毎度のこちらの感覚に合った作業内容を説明することに困難を覚えました。しかし、試行錯誤の結果、こちらが言わずとも作業精度の確認や方法の相談などを持ちかけられ、要望に沿うよう協力してくれるようになってきました。このような協力関係を築き上げるには工場運転員とのコミュニケーションを十分に取ることだと思います。場合によっては言うだけでなく率先して現場作業を行うことも大事だと思います。

Q4. 海外で働いてみて感じる、シンエツの強みとは?

塩化ビニルという汎用性樹脂の生産規模が、世界最大であることのすごさはもちろんのこと、その一貫生産工場を社内のエンジニアだけで設計から建設までほぼ実施したことには自社ながら驚きを隠せません。当社の鹿島工場の塩化ビニル工場でのノウハウを基にしているとは言え、すごいことだと感じています。その中の一人として建設業務に当たり、先輩方の迅速な対応力、決断力も身近に感じることができました。信越化学工業の抱える人材のすごさもひしひしと感じています。

Q5. 休日はどのようにすごしますか?

気分転換を上手に取れば仕事の効率も上がりますので休日を大事に過ごしています。休日のゴルフはもちろんのこと、時折ニューオリンズに足を運んで街並みや食事を楽しんでいます。ニューオリンズはフランス植民地時代の雰囲気を残していてヨーロッパ調の建物が立ち並び見ごたえがあります。ザリガニ入りのガンボスープといった郷土料理も楽しめます。住んでる地域を離れて散歩するのはとても良い気分転換になります。

大学で学び、経験したことを無駄にしないような目的を持った会社選びを行って欲しいと思います。私は大学で学んだ化学工学の知識を応用した仕事をしたいという目的を持って就職活動を行いました。プロセスエンジニアは大学で学んだ基礎知識に経験則が加わり、実用向きでやりがいがある仕事です。自分が何をやりたいか明確にすれば、会社説明会に参加したときに直感で希望する会社が分かると思います。信越化学が皆さんにとって希望する会社となり、将来エンジニアとしてシンテック社で顔を合わせることがあればお互いに協力して頑張りましょう。そんな日がくることを心待ちにしています。