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経営方針


アニュアルレポート2017より

会長メッセージ

代表取締役会長 金川 千尋
代表取締役会長
金川 千尋

すべての事業で世界のナンバーワンを目指し、
あらゆる変化を乗り越えて持続的な成長を実現してまいります。

 

世界経済は益々不透明感を増しており、企業を取り巻く状況も刻一刻と変化しています。このような状況の中で、私どもは絶えず現状を見直し、時代の変化に柔軟に対応しながらさらに高い目標を掲げ、進化し続けることに取り組んでおります。そしてあらゆる経営努力を通じてそれぞれの事業において好機を見出し、持続的な成長を実現してまいりました。その結果、2017年3月期におきましては、6つのセグメントすべてで増益を達成し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも7期連続の増益を果たしました。
なお、私どもは経営努力の成果を正当に株主の皆さまに還元することを基本方針としており、当期の年間配当金は前期に比べ10円増の1株当たり120円といたしました。

 

当社グループでは、汎用樹脂である塩化ビニル樹脂(塩ビ)、IT分野を支える半導体シリコン、汎用製品とハイテク製品の性格を併せ持つシリコーンを主力3事業としております。これらに加え、合成石英、レア・アースマグネット、セルロース誘導体、さらにはフォトレジストやマスクブランクスなどの新規製品も育成してまいりました。こうしたバランスのとれた事業構成のもとで、技術、製造コスト、品質、安定供給など、事業のあらゆる面において差別化を図り、世界トップの製品づくりに向けて、技術革新や積極的な設備投資などに励んでおります。本アニュアルレポートでは、当社の事業概況をご紹介しながら、その市場優位性もお伝えしてまいります。

 

それに先立ちまして私どもの経営の考え方について、ご説明させていただきます。私どもは、企業価値の最大化に向けて、あらゆる努力を払っておりますが、そこで最も重視している指標が、利益成長です。激しく変化を続ける市場環境下においては、成長をし続けること自体がもとより容易ではありません。しかしながら、当社は、迅速な意思決定、積極的な設備投資、リスク分散といった基本姿勢を堅持することで、安定的な成長を続けております。最も高い品質の製品を競争力のある価格で提供することを追求しながら、世界的に激しさを増す競争を勝ち抜ける強固な事業体質の構築に取り組んでおります。
 その取り組み事例の一つとして、私どもの米国子会社であるシンテックをご紹介します。1974年に米国内で最後発の塩ビメーカーとして事業をはじめました同社は、その後、「フル稼働、全量販売」に徹するとともに、積極的な設備投資を計画的に進めたことで、世界最大の塩ビメーカーへと成長しました。シンテックは、当社グループの連結経常利益の約3分の1相当の高い利益をあげるなど安定した業績を生み出し続けています。シンテックの成長の要因は、きわめて合理的な人員構成と、最新技術による設備の更新と増強にあります。ダウケミカルの社長兼CEOを務め、1980年6月からシンテックの取締役にも就任されたベン・ブランチ氏は、こうしたシンテックの経営を、「シンテックは初めから“リストラ”された会社だ」と評されました。2016年3月期には、米国ルイジアナ州にある、電気分解から塩ビモノマー、塩ビまでの一貫生産設備の増強を完了させ、その塩ビ生産能力は、シンテック操業開始時の30倍にあたる年産295万トンとなり、世界最大の塩ビメーカーとしての地位をさらに強固なものにしました。同社は米国内での雇用創出に加え、地域社会に対してもさまざまな形で貢献すべく注力しており、米国社会とともに今後さらに安定した成長と発展を目指してまいります。当社は、2026年には創業100年を迎えます。この重要な節目に向けて、私どもは常に進化し、発展し続けることを目指しております。すべての既存事業においてより高い目標を掲げ、世界のナンバーワンを目指すと同時に、将来の柱となる事業の育成にも取り組んでまいります。

 

皆さまには当社事業につきましてご理解をいただき、引き続きご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

代表取締役会長 金川 千尋
代表取締役会長 金川 千尋

 

 

社長メッセージ

代表取締役社長 斉藤恭彦
代表取締役社長
斉藤 恭彦

すべてのセグメントで増益を達成し、
さらなる成長に向けた基盤強化の1年となりました。

 

信越化学グループの当期の売上高は、為替の影響を除いた現地通貨ベースでは前期比4.4%(565億円)増加しましたが、円高の影響で円換算ベースでは同3.3%(424億円)減少し、1兆2,374億円となりました。生産、出荷ともに各事業を通じて堅調で、2桁増益に貢献しました。当期の営業利益は同14.4%増加の2,386億円、税金等調整前当期純利益は同10.1%増加の2,421億円、当期純利益は同18.6%増加の1,783億円でした。

 

2010年3月期以来の7年間で、税引前利益で1,151億円(年平均成長率9.7%)、当期純利益で945億円(年平均成長率11.4%)の増益を達成しました。また、ROICは前期比2.6%ポイント上昇の14.0%、ROEは同1.0%ポイント上昇の8.5%となりました。

 

当期はすべてのセグメントにおいて増益を達成することができました。これにより、今後のさらなる成長のための基盤が強化されたと考えています。当社グループは当期におきまして、2008年3月期に達成しました過去最高益の約80%の利益水準まで回復しました。引き続き最高益更新に向けて毎日、毎月そして毎年の経営を着実に実行してまいります。対2008年3月期のセグメント別営業利益比較は次の通りです。

 

(億円)

セグメント 当期 (2017年3月期) 過去最高を達成した2008年3月期
塩ビ・化成品事業 531 339
半導体シリコン事業 559 1,413
シリコーン事業 425 374
電子・機能材料事業 552 407
機能性化学品事業 222 174
加工・商事・技術サービス事業 95 166
合計 2,386 2,871

(注)2011年3月期にセグメント区分を変更していますが、2008年3月期の金額は現行のセグメントに合わせて組み替えたものです。

 

当社グループの現在の事業構成は、2008年3月期には半導体シリコン事業の利益が約半分を占めていましたが、現在は4つの事業セグメントが均衡し、バランスの良い事業ポートフォリオとなっています。

当社グループでは、世界中の生産拠点において安全・品質第一の考えのもと、高稼働の操業を続けています。グループ全体で約19,000名の意欲的で熱心な従業員が各拠点で日々の業務に取り組み、お客さまに高品質の製品をお届けしています。また、従業員を対象にした能力開発やさまざまな研修制度を設けるなど、当社グループでは人材育成にも積極的に取り組んでいます。

 

積極果敢な成長投資

当社グループは、将来の成長に向けた設備投資を引き続き積極的に計画し、取り組んでまいります。

 

1. 当期に完成した主な設備投資

●塩ビ・化成品事業

-米国(ルイジアナ州)において、投資額5億ドルの塩ビおよび塩ビの原料工場の生産能力増強工事が、2016年12月に完成。
増強した生産能力は塩ビ年産30万トン、塩化ビニルモノマー年産30万トン、か性ソーダ年産20万トン。増設後のシンテック社の塩ビの生産能力は、ルイジアナ州とテキサス州の工場を併せて年産295万トン。

 

●電子・機能材料事業

-中国(湖北省)において、投資額125億円の光ファイバー用プリフォーム工場の新設工事が、2016年12月に完成。
中国で拡大する光ファイバー需要を捉えるため、プリフォームの事業メーカーである当社と光ファイバーおよび光ケーブルで中国最大のYOFC社が合弁会社を設立。

 

-日本(福井県)において、投資額70億円のマスクブランクス工場の新設工事が、2016年秋に完成。
この投資により生産能力は2割程度増加。半導体デバイスの生産量増加や微細化の進展により、増加するマスクブランクスの需要を捉え、生産拠点複数化による安定供給にも寄与。

 

2. 進行中の主な設備投資

●塩ビ・化成品事業

-米国(ルイジアナ州)において、投資額14億ドルで塩ビ主原料の一つであるエチレンの工場を建設中で、2018年半ばに完成予定。
生産能力は年産50万トン。この投資により、主原料の安定調達が強化され、かねてから進めてきた原料からの一貫生産体制が、より強固なものに。

 

●シリコーン事業

-タイ(ラヨーン県)において、投資額200億円のシリコーンの生産能力増強工事が、2018年内に完成予定。
タイのシリコーンモノマーの生産能力は、現在の年産7万トンから5割増の10万5千トンへ。同時にタイのシリコーンポリマーの生産能力は、年産5万4千トンから約4割増の7万4千トンへ。

 

-日本(群馬県、新潟県)において、投資額200億円のシリコーン機能製品の生産能力増強工事が、2018年3月までに順次完成予定。
研究開発から試作、そして量産の各段階の設備を増強し、世界で拡大している高機能シリコーン製品の需要を着実に捉える。

 

●電子・機能材料事業

-台湾において、投資額130億円のフォトレジスト関連製品の工場の新設工事が、2018年秋に完成予定。
半導体デバイスの生産量の増加や微細化の進展により増加するフォトレジストの需要を捉え、生産拠点の複数化による安定供給にも寄与。

 

-ベトナム(ハイフォン市)において、投資額50億円のレア・アースマグネット工場の増設工事が、2018年半ばに完成予定。
2015年に完成した年産1,100トンの工場の生産能力を2倍の2,200トンにするための第2期工事で、原料の精製から成型、焼結までの一貫生産を拡充する。

 

3. 当期に決定した主な設備投資

●シリコーン事業

-日本(新潟県)において、機能性シラン工場を新設。投資額は23億円で、2018年3月完成予定。
樹脂改質用シラン、シランカップリング剤などの需要増に対応し、機能性シランの少量多品種生産の工場を新設。

 

●加工・商事・技術サービス事業

-信越ポリマー糸魚川工場(新潟県)において、ウエハーケースの生産能力を増強。投資額は34億円で、2018年秋ごろの完成予定。
ウエハーケースの需要増に備え、より一層の安定供給体制を確立する。

 

信越化学グループを支える技術者の育成

秋谷副会長が委員長を務めるG委員会は、当社グループの競争力をさらに高めるために、安全、品質、コストを念頭に、合理化に取り組んでいます。秋谷委員長は定期的に信越化学およびグループ会社の工場を訪れ、次に述べる活動方針のもと、中堅、若手技術者を直接指導し人材育成に注力しています。

 

  • 現状を「是」とすることは、過去の遺産の上にあぐらをかくことである。
  • 技術者は、現象を正確に理解し、原理原則にのっとり、過去の事例から学んだことに加え、最新の情報技術を活用して、問題点の改善に取り組むこと。
  • 工程を変えることの恐ろしさを知り、変えることによって生じるメリット、デメリットを検証し、改善に取り組むことが重要である。
  • これらを繰り返すことで技術者としてのレベルを上げ、プロの技術者になってほしい。
  • 合理化に終わりはない。

このようなG委員会の活動は、生産性を高めることに寄与するだけではありません。同時に、省エネルギー、省資源、廃棄物削減も目的としており、着実に成果を挙げることで環境負荷低減にも貢献し、当社グループの競争力を高めています。

 

たゆまぬ研究開発の取り組み

私たち製造メーカーが発展していくためには、新しい製品を開発することが重要です。当社グループでは研究開発活動に力を注いでいます。当期の研究開発費は490億円で、売上高比で4.0%でした。また当期の特許取得件数は2,022件でした。当社グループの研究者は、日々の研究活動を通じてお客さまや社会に貢献することに熱心に取り組んでいます。

 

 

 

今後とも、当社グループがさらなる成長を遂げることで、株主の皆さま、お客さま、お取引先さま、地域社会の皆さまのご期待に応えてまいります。事業の拡大と業績の向上に向けたさまざまな取り組みを行うとともに、引き続きお客さまのニーズに応え、コーポレート・ガバナンスの向上、地域社会に対する責任を果たしてまいります。

株主の皆さま、お客さま、お取引先さま、地域社会の皆さまにおかれましては、当社グループの活動に対して、引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

代表取締役社長 斉藤恭彦
代表取締役社長 斉藤 恭彦

事業などのリスク

当社グループ(当社、連結子会社および、持分法適用会社)の経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローなどの業績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止、分散、あるいはヘッジすることにより、リスクの軽減を図っております。しかし、予想を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、記載した事項は、平成29年3月31日現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

1. 経済動向および製品市況による影響

当社グループ製品の主要な市場がある国および地域の経済環境の動向は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、主要製品の中には、世界的な需給環境により大きな価格変動が起きるものもあります。 当社グループは事業の多角化・グローバル化などによってそのリスクをヘッジしておりますが、製品の需要が減少あるいは価格競争が激化した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

2. 為替相場の変動による影響

平成29年3月期の当社グループ連結売上高の海外売上高比率は72%となっており、今後も高い水準で推移するものと思われます。在外連結子会社などの財務諸表項目の円換算額は、為替相場に左右され、大幅な変動が生じた場合、当社グループ全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、外国通貨建て取引についても、為替予約などによりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、同様な可能性があります。

 

3. 自然災害・事故災害の影響

当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対し定期的な防災点検および設備保守、また、安全のための設備投資などを行うとともに生産拠点の複数化に努めております。しかしながら、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故などの影響で、製造設備などが損害を被った場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

4. 公的規制

当社グループが事業活動を行っている国および地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替などの各種関係法令の適用を受けています。これらの法令の改変は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

5. 資材等の調達

当社グループの生産活動には、種々の原材料を使用しており、原材料ソースの多様化により安定的な調達に努めておりますが、これらについて供給の逼迫や遅延、また、それに伴う価格上昇などが生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

6. 新製品の開発

当社グループの主要販売先の一つであるエレクトロニクス業界は、技術的な進歩が急速であり、当社では常に技術革新に対応できる最先端の材料開発に努めております。しかしながら、当社グループが業界と市場の変化に的確に対応できなかった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

7. 環境問題について

各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法律、規制を遵守するとともに、地球温暖化防止に向けた省エネルギーや環境影響物質の排出抑制に積極的に取り組んでおります。しかしながら、環境に関する規制が予測を超えて厳しくなり、大きな新たな設備投資などの必要が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

8. 製造物責任

当社グループでは、製品の特性に応じた最適な品質の確保に全力を挙げて取り組んでいますが、予期せぬ事情により品質問題が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

IR活動の基本方針

IR活動を通じて、当社の事業と経営を正確にご理解いただくとともに、株主・投資家の皆さまとの対話を重ね、ご意見に耳を傾けて経営に生かしてまいります。

 

情報開示方針

1. 基本方針

当社は、株主・投資家の皆さまに対する適時適切な会社情報の開示が、当社に対する理解の促進と適正な市場評価につながるとの認識のもと、金融商品取引法および当社が上場している証券取引所の定める有価証券上場規程に従い、公平かつ透明性のある情報開示を行います。

 

2. 情報開示方法

有価証券上場規程が定める重要事実に該当する情報は、東京証券取引所の適時開示情報伝達システム(TDnet)、当社ホームページ、および関係する記者クラブでの発表を通じて公開しています。

また上記以外にも、株主・投資家の皆さまの投資判断に実質的な影響を与えると考えられる情報や、当社の理解を深めていただく上で有用と考えられる情報は、本ホームページを通じて公平かつ迅速に開示していきます。

 

3. 将来の業績見通しに関する事項

当社が開示する情報のうち、将来の業績予想などに関する見通しを含むものは、公表時点で入手している情報による判断および仮定に基づいた見通しであり、リスクや不確実性を含んでいます。このため、さまざまな要素により実際の業績などが変動する可能性があることをご承知おき下さい。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、当社および当社グループ会社の事業領域をとりまく経済情勢、市場の動向、為替レートの変動などが含まれます。ただし、業績に影響を与えうる要素はこれらに限定されるものではありません。

 

4. 沈黙期間

当社は、決算情報の漏洩を防ぎ、公平性を確保するために、四半期ごとの決算期日の翌日から決算発表日までを沈黙期間として定めています。この期間は、決算に関するお問い合わせへの回答やコメントは差し控えさせていただきます。ただし、この期間中に有価証券上場規程の開示規則に該当する事実が発生した場合には、適時適切に開示します。