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信越グループカレンダー 2009年

カレンダーの紹介


NATURE AND LIFE 空と生きるPhotographer : Junji Takasago

地球の周りには、大気があり水分がある。私たちが空を見上げるとき、地球の外にある宇宙をそのまま見ているのではなく、大気や水分というフィルターを通して宇宙を見ていることになる。そのフィルターのおかげで、ロマンチックな夕焼け、心が晴れるような青空、美しい虹などが現れ、ダイナミックで、かつ繊細な光景を毎日見ることができるわけだ。母なる大地に対して、空は父なる空であり、天である。神の領域である美しい天に畏敬の念を抱いて生きてきた人間は、大気を汚し、水分を濁らせることが、常にそれを摂取して生きるわれわれの体そのものを汚すことになるということを、昔から知っていたに違いない。

1-2月 モルジブ

歩いて10~30分ほどで一回りできるような、1200の小さな島々から成る国。インド洋の赤道直下に浮かぶその島々は、ヤシの木と真っ白な砂に囲まれた、これぞ楽園、といった雰囲気をもったところばかり。島の回りにはサンゴのリーフが発達しカラフルな熱帯魚が泳ぎ回り、その外側には吸い込まれるような深いブルーの水をたたえた大海原が広がっている。
小さな島々の合間を縫うように、いつも強い潮流がぐるぐると巡っていて、魚やサンゴなどへの食べ物を供給し続けている。そんな海に潜ってみると、生き物たちは食物連鎖の見本を示してくれるかのように、常に食べたり食べられたりを必死に繰り返している。こんな海でダイビングをし、夕方はヤシの木越しに夕日を眺めながらビールを飲む、というのは、人生の最も幸せなひと時だと思う。

3-4月 モニュメントバレー

たくさんの国立公園や国定公園の集まる、アメリカ・グランドサークル。そのなかでももっとも美しく人気の高いところの一つが、このモニュメントバレーだ。自然が作り出した地形とは信じがたい、これを見れば本当に神は存在するに違いない、と思わせるような、圧倒的な景観を見せてくれている。先住アメリカンたちが、長い間神聖な場所として崇め続けてきたところなのだが、どこの国の人が見たとしても畏怖の念を抱いてしまうような、強烈なインパクトを与えてくる風景だ。
グランドサークルには、岩でできたアーチが無数に存在する神秘的な“アーチーズ“や、巨大な渓谷が折り重なる有名な”グランドキャニオン“など、まだまだ他にも見どころは多い。長めの休暇を取って、車で国立公園を巡る旅を、ぜひお勧めしたい。

5-6月 マウイ島

バレーアイル(谷間の島)というニックネームをもつ、大小2つの山とその間にできた谷間からなるハワイのマウイ島。大きな山は、高度3000メートルを越える高さを誇り、冬には雪化粧をすることもあるほど。夜にこの頂上に立つと、まるで宇宙に放り出されたかのような気分になるほど無数の星々に見事に包まれる。また下界が大雨でも、この頂上だけは雨雲の上に突き抜けてしまっていることが多く、虹やブロッケン現象など、不思議な自然現象に遭遇する機会も多い。
マウイ島は、冬場にはクジラが集まることでも有名で、ホエールウォッチングのボートは1日に何度も海と港の間を往復し、観光客に巨大生物との遭遇を可能にしている。ジョギングやヨガに励む人も多く、島全体が平和な雰囲気に満ち溢れている。

7-8月 オアフ島

カレンダーに使用の写真は、ハワイ・オアフ島のラニカイビーチ。ラニカイとは、ハワイ語で“天国の海“という意味を持つ。僕が始めてこのビーチを訪れたとき、本当に「天国のようなビーチだ」と思ったのを今でもよく覚えている。砂はパウダーのように細かく純白で美しい。ビーチのまん前に浮かぶ小さな2つの島が、ビーチの風景を1枚の絵のように見せてくれる。このまん前にバケーションレンタルを借りて、1日中ここで海を見たり、カヌーで海に漕ぎ出たり、あるいは夕暮れ時にビールを飲んだりするのが、もっとも贅沢なオアフ島の過ごし方かもしれない。
オアフ島というと、買い物で有名なワイキキの印象が強いと思うけれども、ちょっと足を伸ばせば、手付かずの自然や素朴なハワイアンたちが住む、静かで美しい大地や海を見ることができる。オアフ島は、万能なリゾートアイランドなのだ。

9-10月 モルジブ

モルジブの島々はどれも本当に小さく、朝起きて日の出を眺め、夕方には島の反対側で夕日を見る、ということがいとも簡単にできてしまう場所だ。太陽の動きとともに過ごし、夜にはさざ波の音を聞きながら眠りに就く、という幸せは何ものにも替えがたい。自然のサイクルに身を任せると、体は嫌でもその元々のリズムを取り戻し、元気が体中にみなぎってくる。
透明な海に浸かって、体中の力を抜いてただただボーっと海の水に浮かんでみる。しばらくすると自分の体と海の水との境目があやふやになってきて、やがて海の水に自分が溶け込んでいくような気持ちになることがある。そんな時、なんとも言えない、懐かしいものに包まれたような温かさを感じる。

11-12月 カナダ

カナダには、手付かずの大地がたくさん残されており、野生動物や植物、あるいは自然現象を、太古の風景の中で観察できる。特に冬には、ホッキョクグマ、アザラシ、ホッキョクギツネなど、白銀の世界で暮らす白く美しい生き物たちの野生の姿を目の当たりにでき、高緯度ならではのカナダの大きな魅力が発揮される。
オーロラは、太陽から放たれた電気を帯びた粒子が大気に衝突して現れるという、宇宙規模の現象だが、そんな神秘的な天体ショーを容易に見られるところもカナダには多い。日常を離れて、パキーンと冷え渡った真っ白い世界で宇宙に想いを馳せる、というのもオツである。そんな冬のカナダから日本に帰ると、いつも厳しく感じられていたはずの寒さが、まったく軟弱なものに感じられるのが、また面白い。

高砂 淳二 (たかさご じゅんじ)
自然写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。
大学在学中にオーストラリアを放浪、ダイビングと写真を始める。
ダイビング専門誌専属カメラマンを経て1989年に独立。
海の中、空、生きもの、風景、自然現象など、地球全体をフィールドに、
自然全体のつながりや、人との関わり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。個展、写真集多数。