信越化学工業(本社:東京、社長:金川千尋)は、セルロース誘導体事業において、特殊品セルロース製造設備の増強を決定した。新潟県直江津工場(上越市)の医薬品添加剤用途の特殊品セルロース製造設備の生産能力を約3割増強するもので、2009年12月末の設備完成を目標としている。なお、今回の増強計画に要する投資金額は数十億円の見込み。
信越化学のセルロース誘導体事業は、2007年3月の直江津工場の爆発火災事故後、同工場の復旧とドイツのSEタイローズ社の製造設備増強を並行して進め、製造拠点の複数化を図っている。直江津工場のセルロース製造設備はこの10月でほぼ復旧工事を完了し、生産能力は事故前の約9割にあたる年産1万9千トンとなった。
今回の設備増強の対象である医薬品添加剤用途のセルロースは、医薬品の崩壊剤(※1)や結合剤(※2)として使われる日本薬局方L−HPC(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)製品で、近年堅調に需要が伸びている。同製品は引き続き市場の拡大が見込まれることから、今後の安定供給の継続のため今回増強を決定した。
セルロース誘導体はパルプを主原料とする水溶性高分子で、建材用、医薬用を主要用途に、食品、トイレタリー、土木など幅広い用途分野をもつ。用途別では現在、信越化学は医薬用途、建材用途で世界トップクラスのシェアを有している。今回の増強により、医薬分野での地位をより磐石なものにするとともに、日本・ドイツの二極体制のメリットを生かし、世界シェアの拡大を目指す。
| ※1崩壊剤: |
錠剤などの固形薬剤が胃の中で速やかに溶けるよう、薬を崩壊させる機能を持った添加剤。 |
| ※2結合剤: |
薬の薬効成分などを錠剤や顆粒剤などに成形できるようにする添加剤。バインダーとも呼ばれる。 |
以上
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