信越化学、シリコーン事業の海外展開を加速 (2001.8.16)
信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:金川千尋)はこのほど、中核事業の一つであるシリコーン事業の海外展開を加速する目的で、米国で機能性シランの新工場を建設する。また、タイではシリコーンポリマーの新工場を建設する。
米国の機能性シラン工場の投資が約60億円、タイのシリコーンポリマー工場が約70億円。これに、信越化学と米ゼネラルエレクトリック・カンパニー(GE)、(株)東芝の合弁事業である、タイのシリコーンモノマー工場の信越化学分の投資金額約150億円を合わせると、全体の投資金額は約280億円となる。
機能性シランは、シリコーン事業で扱う製品の一部で、接着剤、コーティング剤、ガラス繊維のほか、タイヤ、ゴム、電子部品など広い分野で使用されて、毎年着実な伸びを示している。また、熱可塑性プラスチックの接着促進剤や架橋剤としても使われ、最終製品の機能向上に大きく貢献している。特に最近は、タイヤの補強剤にシリカを配合して車輪の転がり抵抗を下げ、燃費を改善したシリカ配合低燃費タイヤが大幅に伸びており、自動車の環境対策にも貢献している。この改質剤に機能性シラン(ポリスルフィドシラン)が使われている。
信越化学は今回の投資により、機能性シランの世界シェアを一気に拡大させる計画である。
信越化学は機能性シランをこれまで直江津工場(新潟県中頸城郡)で生産し、全世界のマーケットに供給してきた。しかし、直江津工場の能力が不足してきたことと、機能性シランの用途や市場の拡大と世界的な需要増に対応するため、グローバルな視点から新たな生産立地を選択して決定したもの。
新工場は、信越化学の米国子会社・シンテック社の用地(テキサス州フリーポート)に隣接して信越化学が所有する約50万坪の土地の一部に建設され、製品は全世界に供給される。生産能力は年産約1万トン。生産品種はポリスルフィドシランを中心とした大型製品である。新工場が完成すれば、信越化学の機能性シランの生産能力は現在の約2倍となる。
新工場の建設と運営は、信越化学の米国子会社・シンエツシリコーンズオブアメリカ社(社長:上杉信行)が行い、工場名はシンエツシリコーンズオブアメリカ社フリーポート工場となる。すでに工場の建設許可を米国環境庁に申請済み。許可が得られ次第、直ちに着工し、2002年8月頃の完成を目指す。従業員数は約30名の予定である。
一方、タイでは2001年2月、シリコーン製品の生産・販売を行う全額出資子会社「シンエツ・シリコーンズ・タイランド社(Shin-Etsu Silicones (Thailand) Limited、社長:富里一、資本金:10億バーツの予定)」を設立。信越化学とGE、東芝との合弁事業である、アジア・シリコーンズ・モノマー社のシリコーンモノマー設備の完成に合わせて、2003年3月完成の予定で工場建設に着手する。すでにタイ王国投資委員会の承認を得ている。
同社は、アジア・シリコーンズ・モノマー社から原料のシリコーンモノマーの供給を受けて、シリコーンオイル製品とシリコーンエラストマー製品を生産する。生産能力は、シリコーンオイル製品とシリコーンエラストマー製品の合計で、年産約54,000トンである。
工場の立地はタイ王国ラヨーン県Asia Industrial Estate工業団地内で、アジア・シリコーンズ・モノマー社のシリコーンモノマー工場の隣接地である。従業員数は約110人となる予定である。
以 上
(注)シンエツシリコーンズオブアメリカ社は1985年設立。オハイオ州アクロンに本社と工場があり、各種信越シリコーン製品の輸入・生産・販売を行っている。
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